2015.8.30

投資信託初心者向け 投資に失敗しない3つポイント

1.まず、目的を決めよう!

資産運用を始める人が急増しています。背景に長引く低金利、退職者のピーク、少子高齢化による年金問題があります。また401kやNISA等の制度が後押しし、初心者が増えているのが特徴です。運用で失敗しないためには何が必要か、そのポイントを探ります。
(1)あなたは何の目的のために投資信託を始めますか?
投資は始める前に目的を決めることが不可欠です。目的が決まっていないと、どの程度リスクをとるのか、どの程度のリターンを求めるのか見えて来ません。目的が明確であれば無理してハイリスク商品を選んでしまい大損をしたり、逆に年の利回りが足りなくて目標額に届かず目的が達成できないなど希望とはずれてしまうことがあります。
では、投資の目的とはどのようなものでしょうか。投資信託を始める目的は始める年齢や環境によりさまざまですが、初心者が選ぶべき投資信託は長期運用(15年~)が基本となります。長期でお金を貯める目的には「結婚資金」・「教育資金」・「リフォーム資金」などさまざまですが、ここでは、「老後資金」という目的について考えましょう。
30年~40年という期間を設定することで、金利と時間を味方につけることができ、初心者でもリスクを減らしつつ大きな効果を得ることが出来ます。目的が決まったら、その目的を達成するための目標額と期間を決めます。
(2)期間と目標額を決定します
では、老後資金としていくら貯めるとセカンドライフを楽しく安心して暮らしていけるのでしょうか。老後の老後資金として真っ先に思い浮かぶのが公的年金です。現行では65歳より支給が開始される制度となっています。しかし、高齢化社会が進み年金制度を支える現役世代が少なくなると支給開始年齢が引き下げられたり、支給額が減ったりすることが容易に想定されます。
つまり、自分で老後資金を貯める必要があるのですが、65歳時に幾ら貯めると老後安心して暮らしていけるのでしょうか。最近ではじぶん年金として、自分で老後のための資金を月々の積立てで準備する人が増えています。やみくもに積み立てていても疲れてしまいますのでしっかりと目標額を決めていきましょう。
年収によっても異なりますが(下図参照)、老後豊かに暮らしていくのに1ヵ月に約36万円必要だというデータが出ています。月々36万という金額に驚くかもしれませんが、年金の支給開始年齢の引き下げや支給額の減少を想定すればこの位を目標にしておくといいでしょう。
老後に必要な生活費
老後生活費
出典:生命保険文化センター「H22年度 生活保障に関する調査」
ここでは、現行の公的年金の支給開始年齢が65歳ですので、65歳までにじぶん年金としていくら貯めておくといいのかと計算してみます。仮に公的年金の支給額が夫婦二人で月額23万円として、その差額は36万円-23万円=13万円。この13万円は公的年金だけでは足りない、自分たちの預貯金を取り崩していく月々の金額となります。
これが何年続くかと言いますと、65歳の平均余命が22年間(87歳)ですので、22年間。つまり、(月々の差額×12ヵ月×平均余命=65歳までに貯めるお金)となります。実際には、13万円×12ヵ月×22年間=3432万円。約3500万円となりました。
次にこれをどうやって貯めていくのかという話をしていきましょう。今回は仮に30歳の人が「65歳までの35年間で3500万円貯める」という設定で考えていくことにします。

2.金利を上手く使おう!

昨今の低金利下では銀行に預けていても金利は0.02%程度。それではお金は増えていきません。しかも、今後のインフレ基調を考えると、実質的に資産価値が目減りすることになってしまいます。
たとえば、今日本銀行は日本のインフレ率を2.0%程度で安定させることを目指していますが、インフレ率2%だと現在1000万円の価値のあるお金は、30年後には545万円の価値に下がってしまいます。金利を味方につけないと増えないどころか、逆に減ってしまうかもしれません。
投資信託の最大のメリットは金利を味方に出来ることです。銀行預金はほぼ年利0%ですが、投資信託では年10%以上になることもあります。しかし、年利10%を目指す運用と年利3%を目指す運用ではリスクがかなり違います。
確かに銀行預金に比べて魅力のある利回りが期待できますが、リターンが大きそうに見える商品ほど減るリスクもあることを認識しておかなければなりません。ではどうすればいいのでしょうか。
老後資金の目標を65歳までの35年間で3500万円とします。年に換算すると年間100万円貯めるということになります。月々に換算すると約8.3万円。35年間という長い期間には結婚・出産・子育て・マイホームの購入・子供の受験・親の介護など費用が多く掛かるライフイベントがさまざま出てきます。
さらに35年という長い年月の間には、これ以外にも予期しない突発的な支出が予期されます。月々、約8.3万円という金額はちょっと重たく感じるかもしれません。そこで上手く利用したいのが「金利」です。では、金利がどれだけの効果を出すかもう少し勉強していきましょう。毎月3万円と5万円と8万円を35年間貯金した場合の運用する金利ごとの試算表です。
老後生活費
月々5万円貯蓄した場合で見てみますと、金利を全く使っていない0%と3%で運用できた場合との差を見てみますと、1608万円もの差が出ています。35年間で3500万円という目標額に対し、毎月約8.3万円貯めるのは金利が0%の場合。
この表では8万円で試算していますが、同じ8万円でも1%で運用できた場合、4021万円。3%で運用できた場合は5933万円と目標額を大きく上回ります。8万円で貯蓄出来た場合でも、2573万円もの差が付きます。これは、長期間に渡って雪だるま式にお金が増えていく複利運用を味方につけた結果でもあります。
先程、月々5万円で貯蓄した場合の金額を見ましたが、金利3%で運用した場合3708万円でした。今回65歳までに貯めるお金は3500万円ですから、月々5万円の3%で運用出来れば目標額を達成できることになります。毎月5万円の積立てでしたらどうでしょう。
毎月8万円の積立てに比べ、これから掛かる結婚・出産・子育て・マイホームの購入・子供の受験・親の介護などを考えると随分と気が楽になったのではないでしょうか
ここでは、毎月5万円を35年間3%で運用するという設定を立てました。はたして本当に3%で35年間も運用出来るのでしょうか。たしかに、やみくもに運用していては厳しいでしょう。ただ、運用の世界では、リスクを回避して安定的に運用する3つの方法があります。

3.投資信託初心者が押さえる3つのリスク回避と安定した運用方法

(1)分散投資をしよう!
安定した運用とリスク回避の基本は分散投資です。投資の世界にある有名な言葉として「卵を一つのかごに盛るな」という言葉があります。卵を一つのかごにすべて盛ってしまうとそのかごが落ちてしまった場合、そのかごに入れていた卵がすべて割れてしまいます。
そこでリスクを分散させるためにいくつかのかごに分けて卵を入れておくと、たとえ一つのかごが落ちたとしても他のかごに入れていた卵を守ることができるということです。投資における分散には資産クラスの分散・地域の分散・銘柄の分散などがあります。
たとえば資産クラスは株式と債券に分けられます。そして、地域は国内・新興国・先進国とわけることができます。これだけでも国内株式・国内債券、新興国株式・新興国債券、先進国株式・先進国債券と6つに分けることができます。
こうすることで、株が上がり債券が下がる、株が下がり債券が上がる、先進国が上がり新興国が下がるなど、相関性の低いものへ分散をしていれば資産全体としてはバランスが取れるということです。
また、投資信託は多くの投資家から少しずつ資金を集めて大きなファンドにし、ファンドマネージャーが複数の銘柄に分散投資してくれますので、小額から分散投資をすることが可能で、リスク軽減が出来ます。
投資経験が少ない人でも気軽に始められる商品としての所以がここにあります。しかし、投資信託の中には地域や資産クラスが偏ったものもありますので選び方が重要です。
(2)時間を分散しよう!
さて、投資先を分散したら、時間も分散してさらに安定運用とリスク回避をしましょう。時間を分散する手法の代表的なものとしてドルコスト平均法という手法があります。ドルコスト平均法とは毎月一定額の量買付けをすることで、一括で購入するよりもリスクを減らせ成果が上がるという手法です。
この手法を使うことで何も考えず、安いときには多く購入し、高いときには少なく購入するという投資が続けられます。
(例)投資元本24万円
Aさんは24万円一括で購入
Bさんは3万円ずつ8回に分けて購入
ドルコスト平均法
≪8回目の購入直後のそれぞれの評価額≫
Aさん・・・総購入口数:24口、評価額19万2,000円 
Bさん・・・総購入口数:31.15口、評価額24万9,200円 
同じ相場でも一括で購入したAさんは48,000円のマイナス。
毎月一定額ずつを購入したBさんは9,200円のプラスという結果になりました。
 
このように時間を分散して一定額ずつ購入すると、相場のアップダウンがあっても、一括で購入するよりも、価格の変動とうまく付き合いながら成果が上がることが多いのです。
(3)長期運用が基本
初心者向けには、長期運用が基本です。長期というと10~15年超を差しますが、長期で運用をすればする程リスクは軽減します。なぜならば、短期間で相場をみると、プラスになるときもありますが、マイナスになるときもあります。
そんな時お金を使う時期が到来してしまうとこんなはずではなかったという結果になってしまいます。それに比べると、長期間で運用をすれば金利(複利)を味方につけることになり、変動幅が小さくなり結果プラスで終わる傾向にあるからです。

4.まとめ

いかがでしたか。低金利の今、運用しなければならいと思っていても、元本が割れてしまったり、リスクが怖い。知識が無いのでリスク回避の仕方が分からないと思っている人もいるでしょう。
あるいは老後に向けて漠然とした不安を抱えている。投資信託に興味を持っているけど、投資なんて自分は知識が無いし、無理だと諦めている人もいるでしょう。
しかし老後資金など長期でお金を増やしていきたい目的であればリスクを回避することができます。まずは目的と期間、目標額を決めて投資信託を用いて分散投資をしてきましょう。

執筆:久保田正広

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