2016.4.25

「ヘッジ取引」が有効な場面とは?大切な資産を相場変動から守る方法

1.ヘッジ取引が有効な相場の局面とは?

「ヘッジ取引」という言葉。あまり聞きなれない言葉ですが「為替ヘッジ」と聞くと少し耳慣れている言葉かもしれません。ヘッジは「回避する」という意味ですから、ヘッジ取引とはリスクを回避するための取引のことです。
 では、何のリスクを回避するのか。ヘッジ取引が有効な相場の局面とは何かについて解説します。
(1)ヘッジ取引とは?
 金融商品には、株式、債券、投資信託、外貨預金などがあります。それらの金融商品は主にその資産価値を維持したり、価値の向上を狙って保有しているのが主たる目的です。
 しかし、その目的とは違う方向に相場が動くことがある程度明らかな場合は、そのリスクに備えて「ヘッジ取引」が行われます。具体的には、株式や投資信託が自身が思っている方向とは逆の方向に相場が大きく動き、資産減少のリスクが考えられるときに、その金融商品と相関性が高い「先物取引商品」(例えば、日経225採用銘柄の場合は、日経225先物)や「オプション取引」などを使って行われます。現物株を1000万円分買っていたとすると、先物取引で1000万円分の「売り」で仕掛けておき、実際に相場が下落し100万円の損失を現物株で出たとしても、先物取引で100万円利益が出ていれば、下落リスクを回避できます。
 ではなぜ、「ヘッジ取引」として先物取引が使われるのでしょうか。
(2)ヘッジ取引に先物取引が使われるのはなぜか?
 ヘッジ取引をすることで、金融資産が大幅に減少するリスクを回避させることができます。ヘッジ取引をしていなければ、資産が減少した場面で資産を現金化しなければならなくなったときに、実際の損失を受けることがあります。ヘッジ取引をしておけば、実際の損失なしに資産を守ることができます。その現物商品(株、投資信託、外貨預金、債券等)に連動する先物取引やオプション取引が使われます。これらの商品は「証拠金取引」であることが多く、少ない費用でレバレッジをかけて投資をすることができます。
 これが何を意味するのでしょうか。例えば、1000万円の金融商品を持っていた時にリスクの発生が予見される場合、同額の資産を持って「売りヘッジ取引」をかけると倍の資産が必要になります。しかし、証拠金取引の場合は必要となる費用が1/5~1/50の「証拠金」でレバレッジをかけて「売りヘッジ取引」をすることができます。
 これが、先物取引やオプション取引が利用される意味なのです。多くの資産を持たなくても、少ない資産でレバレッジをかけて予想とは反対側の取引を仕掛けておくことで、資産の減少に備えることができるのです。
 では、実際にヘッジ取引にはどのような種類のものがあり、そのデメリットメリットがどうなっているかを見ていきましょう。

2.ヘッジ取引の種類

(1)「売りヘッジ」取引とは
 現物の株式や債券、投資信託や外貨預金などを購入する場合は、その資産を保有することによって得られるキャピタルゲインやインカムゲインなどを期待します。そのため、その価格が減少するリスクに備えて、「売りヘッジ」をかけて商品先物取引などを行います。 
一般的にヘッジ取引というのは「売りヘッジ取引」を指していると言ってもよいでしょう。では、「買いヘッジ」というのはあるのでしょうか。
(2)「買いヘッジ」取引とは
「買いヘッジ取引」の代表的な例は、株式投資やETFなどの上場金融商品で信用取引制度などを使って、現物商品が値下がるだろうと「売り」で購入していた場合に、相場が上昇して資産が減少することを避けるために、「買いヘッジ取引」をして一時的な相場の変動に対応することを主に意味します。
 今までお話ししてきたのは、現物商品に対して対応した先物商品やオプション取引を使った「ヘッジ取引」でしたが、外貨建ての投資信託の場合、「為替ヘッジ有」「為替ヘッジなし」という言葉が出てきます。この意味を最後に解説しておきましょう。

3.投資信託の「為替ヘッジ」あり、なしって何?

(1)外貨で資産を持つ場合のもう一つのリスク
 外貨で金融資産を持つということは、ドル円の関係でもわかるとおり、為替の価格変動が常に存在します。例えば、外貨預金など1ドル100円の時に10000ドル買った場合は、金融資産としては100万円持っていることになります。ここで1ドルが110円の円安になった場合は、円建てにすると資産は約90.9万円になります。これが為替リスクです。
 海外の企業や資産などに投資する場合は、必ずこの為替リスクが伴いますので、事前にこのリスクを考慮するかしないかで、「為替ヘッジあり」コースにするか「為替ヘッジなし」コースにするかを選ぶことになります。
(2)「為替ヘッジ」あり、なしで何が変わるのか。
 「為替ヘッジあり」を選ぶことで、その株や投資信託の実質的な価格や運用などの上昇分を純粋に受け取ることができます。事前に「為替ヘッジ取引」を組み込んでおくことによって、為替の変動があっても純粋な運用益を得られるように備えることができます。
 逆に「為替ヘッジなし」を選択することで、市場変動プラス為替変動の両方のメリットとリスクを同時に抱えて運用を考えることになります。今後、為替が円高方向に向かうと思われる場合は、「為替ヘッジなし」を選択することで為替変動によるメリットも受けることができるということです。逆を言えば、自分が買った時から円安に動いた場合はデメリットを受けることもあるということになります。

4.まとめ

 「ヘッジ取引」は、一時的な相場の揺れ(ブレ)に備えて行うケースが多いため、長期的にヘッジ取引をするのではなくて、短期的に「先物取引(オプション取引)」など使ってリスク回避をする戦略的取引と言えます。昨今、相場は数日間に大きく相場が動くケースが多くなってきています。そのときのリスクを回避する取引としてはとても有効なものに思えます。自身が持っている金融財産、今年はどのような相場の変動で金融資産がどうなるのか、先に手を打つ方法はあるのか。一度、ファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。

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