2016.2.8

インフレターゲットの影響とは

1.インフレターゲットとは

そもそも「インフレターゲット」とはどういった意味なのでしょうか、まずは基本をおさらいしてみましょう。
(1)インフレターゲットとは金融政策
「インフレターゲット」とは、金融政策の一種です。国によってその主体が中央銀行であったり政府であったり、またはその両方だったりしますが、国として自国の経済をどのようにコントロールするかを決定する金融政策として用いられます。
(2)日本では2012年に導入
インフレターゲットは「インフレ目標」とも言われ、国としてインフレ率の目標を定めることが基本となります。ご存知の通り、日本ではアベノミクス導入時の2012年に日銀によって「年間2%」というインフレ率が目標として掲げられました。日本における「インフレターゲット」のスタートです。

2.日本のインフレは超イレギュラー

インフレターゲットの歴史は意外と古く、一般的には1990年にニュージーランドで導入されたのは最初と言われています。ただし、同じインフレターゲットでもこれまで導入されてきたものと現在の日本で行われているものは、まったく意味合いが違うということをご存知でしょうか。
(1)インフレターゲットはインフレを抑えるための政策
元々「インフレターゲット」とは、高いインフレ率に苦しむ国でインフレを抑えるためにとられる政策です。インフレ率の上限を目標として掲げ国全体の経済を落ち着かせていくのが本来の目的でした。
既に市場がインフレ状態ですから構造そのものを変える必要はなく、単純にブレーキのかけ方を国民に対して示すという性質のものだったのです。
(2)インフレターゲットでデフレ脱却するためには
ところが、現在の日本ではインフレターゲットをデフレ脱却の手段として用いようとしています。つまり、デフレからインフレへ経済の構造を逆転させるのが目的なのです。
インフレ率の目標を定めることが、なぜデフレ脱却につながるのか。日銀が描くシナリオは次の通りです。
①国がインフレ目標を掲げ、実現に向けて強い意志を国民に見せる。
②国民は国の意志を感じて、いままでストックしていた資産を運用に回す。
③市場に資金が出てくることで消費が促され、物価が上昇する。
④物価が上昇することで企業の収益が改善される。
⑤企業の収益が改善されることで、給与が上がる。
⑥給与があがることでより消費がさらに増えて、物価が上昇していく。
(以下、④~⑥の繰り返し)

3.インフレターゲットの影響

実際、インフレターゲットをデフレ脱却の手段として用いることについては、専門家でも意見が分かれています。それぞれ代表的な意見をご紹介しましょう。
(1)肯定論者の意見
肯定論者は、原則として上に書いた日銀のシナリオを支持しています。特にアベノミクス以降、日本株価の大幅な上昇と急速な円安が進んだのは紛れもない事実ですから、これを成功の根拠としている専門家もいます。一方で、デフレ脱却の道はまだ半ばという慎重論はインフレターゲット肯定論者の中にも根強く残っています。
(2)否定論者の意見
否定論者には大きく分けて二通りあります。一つ目は、このようなインフレターゲットの使い方をするとインフレを通り越してハイパーインフレが起こってしまうという考え方。もう一つは、そもそもインフレターゲットではデフレを脱却できないのではないかという考え方です。
このうち前者の方は、現時点ではその兆候は見られません。ただ今後のことを考えると確かにそうした可能性は排除できないと言えるでしょう。
後者の意見は、長い時間デフレであった日本においてインフレというシステムが機能しないのではないかという主張です。特に争点となっているのが、例え企業の収益が上がったとしてもそれが従業員の給与に反映されるのかという部分。せっかくの収益を企業が溜め込んでしまうようでは、デフレからの脱却は望めません。

4.まとめ

「インフレターゲットでデフレを脱却できるのか」。その答えが出るのはもう少し先になりそうです。ただし、今私たちが住んでいる日本でどういう金融政策がとられているかを知ることは重要なことです。それにより自分の資産をどう守っていくかの考え方も変わってくるでしょう。

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