2014.10.4

毎月分配型投信で本当に大丈夫?毎月分配型投信の善し悪し

酷評されている毎月分配金型投資信託は本当に悪いのか?

未だに根強い人気を誇る毎月分配型投資信託。この記事を見つけた方の中にも毎月分配型投信をお持ちの方が多いかも知れません。昨今毎月分配型投信が酷評されていますが、本当に悪いものなのでしょうか。その本質を探っていきましょう。

1.なぜ毎月分配型を選んだのか

毎月分配型投信を選んだ理由として
1.銀行預金よりも利率がいいから。
2.毎月の分配金という形で支払われるから。
この二つの理由に当てはまる方が多いのではないでしょうか。特にシニア世代の方だと退職金で毎月分配型投信を購入し、分配金を毎月の生活費の足しにするという目的で毎月分配型投信を選ぶ方も多いようです。
年金は偶数月しか入ってこないので、「毎月」分配金という形で実入りがあるのはとても安心感がありますよね。銀行預金にはない「毎月分配金」が入るという点において年金+毎月分配型投信は相性が良いようです。
このことからシニア世代のように大きくお金を増やす必要がない方々にとっては毎月分配型投信が一概に悪い、とは言えないようです。ではどのような方には向いていないのでしょうか。
それはこれから資産を増やしていこう、という目的で投資信託を購入される方です。資産を増やすためには複利と時間を味方に付けることが効果的です。
複利は元金によって生じた利益を元金にプラスして運用していくため、雪だるま式にお金が増えていきます。当然運用の期間が長くなれば長くなるほど複利効果は大きくなります。
複利を味方につけるには分配金の頻度はできるだけ少なく、分配金が出る場合でも分配金を再投資する投資信託を選んだ方がよいでしょう。
他にも長期運用のメリットはあります。ここでいう長期運用とは5年、10年以上の期間を表します。一般的に運用は長期で行うことによって値動きの幅が縮まってきます。もともと投資信託は長期保有を目的としたものが多いので短期の値動きに一喜一憂せずに保有し続けることが重要です。(※もちろん全ての場合ではありません)
まずはなぜ毎月分配型を選んだのか、自分の運用スタイルに合っているのかを考える必要があります。
ではシニア世代が、毎月分配型を購入する場合はどんな点に気をつければよいのでしょうか。

2.毎月分配の正体とは?

みなさんは毎月の分配金がどのような仕組みで支払われているのかご存じでしょうか。毎月入ってくる「分配金」というメリットだけに焦点が当たりがちな毎月分配型投信ですが、当然デメリットもあります。
投資信託は投資家から資金を集め、それを運用することによって収益を得ています。「分配金」というと運用した収益から払い出されていると思いがちですが、これは理想であり現実は異なる場合もあります。
分配金の原資は投資信託に組み込まれている有価証券の値上がり益や配当金、利金、為替差益などです。前回の決算日から今回の決算日までに出たこれらの収益の一部が分配金として投資者に分配されます。
上記のような場合「分配金=収益」ですが、実は収益が出ていない場合にも分配金は払われます。投資信託の分配金は収益、元本を問わずに払い出すことが可能だからです。現状多くの毎月分配型の投信は運用益を超えて分配金を出しています。
以前は「特別分配金」と呼ばれ、現在は「元本払戻金」と呼ばれているものです。「特別分配金」というといかにもボーナスというイメージが強かったのですが、「元本払戻金」は文字通り自分自身の投資した元金が取り崩されています。分配金が元本から支払われているようなファンドでは運用成績が悪いことが多くトータルでは損をしていることが多いのです。
例えば、毎月分配型投信の中には分配金の配当利回りが投資信託の予想利回りよりも高いケースがあります。このような場合、分配準備積立金が取り崩されながら配当が行われているので要注意です。過剰に分配金を出している状況がいつまでも続くわけがありません。最悪繰り上げ償還という強制的にファンドが解散するような状況になることもあり得ます。
毎月分配型投信の運用レポートなどを確認して、毎月分配が収益から出ているのか、元金の取り崩しなのかを確認しましょう。

3.なぜ分配金をもらい続けることができるのか?

なぜ元金を取り崩してまで分配金を支払うのでしょうか。毎月分配型投信は未だに投資信託取扱会社各社の販売ランキングに名を連ねています。元金を取り崩している投資信託でも人気があるということです。日本人は減配、減収、減益を嫌う傾向にあるため、分配金を減らすのが難しい傾向にあります。
「運用商品なので元本保証はありません。しかし分配金は毎月定額出ています。」という勧誘文句で毎月分配型投信を選んだ方もいらっしゃるでしょう。しかし、実際には元本が取り崩されていることを理解しているのは購入者の半数以下だと言われています。ここで問題なのは元本を取り崩す事ではなく、その実態が理解されていないままに購入をされる方が多いということです。
今自分がもらっている分配金がそもそも収益からの分配金なのか元本なのかを知っておくことで自分が持っている毎月分配型投信のファンドの善し悪しがわかります。また、仮に毎月の分配金を銀行預金に預けているような方がいたとしたら毎月分配型投信よりも分配金がなく複利で運用する商品の方が運用スタイルに合っているかも知れません。

4.投資信託を選ぶ際に重要なポイント

では、どうやって投資信託を選ぶときに何を注視すべきでしょうか。そのポイントは「投資信託の中身」です。投資信託は国内外の株式と債券、REIT(不動産投資信託)など種類は様々で、特定のものに集中投資するものや分散投資するものがあります。現在日本で販売されている投資信託は約5000本以上あります。
この投資信託全ての特性を理解し、過去の運用成績を比べた上で自分の運用に見合った将来性のある投資信託を選ぼうと思うと現実的に無理があります。
それではどうすればよいのでしょうか。
「できるだけ分散投資している銘柄を選ぶ」ことです。
世界中の株と債券に分散投資することで、全世界の成長に合わせた資産の成長が期待できます。特定の国のみ、特定の株式のみという投資信託であればその国の経済が停滞してしまうと大きな損害になりますが、グローバルに投資してある投資信託であれば、たとえ日本やアメリカなどの先進国の経済が停滞したとしても、新興国が成長していたらファンド全体としてのリスクは軽減されます。
特定のマーケットに集中投資している投資信託を購入する場合は、バランス型の投資信託に比べてリスクが高くなるのでよりしっかり調べて購入しましょう。

5.まとめ

ここまで毎月分配型投信を選ぶ際に考えるポイントを挙げましたがいかがでしょうか。毎月分配型投信がいいのかどうか、ということよりご自身の運用方針に合っているのかが最も重要であること、投資信託を選ぶ際には「中身」が重要であることをここまで述べてきました。
あなたが投資信託に求めるものは何ですか?中身は分散されていますか?そして、毎月分配は必要ですか。それとも・・・

執筆:久保田正広

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