失敗しない退職金運用の考え方

2018.9.27

失敗しない退職金運用の考え方

退職金を受け取ったが金融機関から運用に回すことをすすめられた…本当に全額運用にまわしても大丈夫?最近こんな相談をよく聞きます。果たしてどう考えていけばよいのでしょうか。

1.老後生活の実態

現在、年金生活をお送りの方であれば実感されている方も多いと思いますが、公的年金のみで毎月の生活をやりくりしていくことは中々、難しいのが現実となっています。
総務省の家計調査によると60代世帯の平均消費支出額は約28万円/月とされています。
それに対して、日本年金機構が公表するモデル世帯(夫が厚生年金期間40年、妻が国民年金期間40年)の年金月は約22万円/月とのことなので、約6万円が月々不足になる計算です。
また、基礎年金も含めて満額支給される時期は65歳以降が原則であるため、60歳で完全に勇退を考えている方はさらにその分を見越した準備も必要になってくるでしょう。
そして、今後の年金給付抑制やインフレ、増税等の条件を考えると不足額の約6万円を上回る7~8万円程度の資金が確保できるよう計画を立てていくことが望ましいとされています。

将来を見越して、定年時点の貯金額に何ら心配がない方なら何も考えなくてもよいかと思います。しかし、そう思える方はほとんどいないのではないでしょうか。そこで、お金を長生きさせるため、お金の価値を守るためにも資産をできるだけ安全に運用させることが大切となってくるでしょう。

仮に60歳時に2,000万円の資金があった場合、生活費の足しとして毎月8万円を切り崩しながら運用したとすると、年率別で資産が底をつく時期の目安を見てみましょう。

  • 年率0%の場合…80歳8か月程度
  • 年率1%の場合…83歳7か月程度
  • 年率2%の場合…87歳程度
  • 年率3%の場合…92歳10か月程度
  • 年率4%の場合…105歳程度

このように全く運用をした人としなかった人の差は大きく、年率0%運用と4%運用の差では24年以上も差が出てきます。運用成果は様々になりますが、お金に働いてもらうことで、お金の寿命に大きな影響が出る可能性は大いにあるということが言えるのではないでしょうか。
現に、銀行に預けているだけでは0%に近い運用となるため、運用を始めとする対策が必要であれば定年前にきちんと考えておくべきでしょう。

2.退職金運用を始める前に

資産運用を行う前にまずは、きちんとお金の色分けをしておくことが最も重要になります。
ご自身の資産を目的や用途に応じてお金を分けて考えていきましょう。
そして、その色分けとして大きく4つに分けて考えるとよいとされています。

このように、ご自身の資産をまずは色分けしてみてそれぞれの条件に見合った金融商品を検討していくことが重要になってきます。

例えば、「使うお金」については流動性が高いことが条件でなければいけないので普通預金が一番イメージしやすいのではないでしょうか。「備えるお金」は、なるべく元本保証がされていて安全性の高い定期預金や公社債。「のこすお金」はのこしたい人にのこしたいお金が準備できる確実性の高い保険。そして、「増やすお金」についても投資信託や外貨預金などといったように金融商品のリスクとリターンを考え属性に合わせた運用を検討していくとよいでしょう。特にこの「増やすお金」については、個々でとれるリスクやとらなくていいリスクといったように、その人の状況や考えによって許容度も変わってきます。人生100年時代と言われるようになり、60歳からでも40年間の運用ができます。しかし、大きなリスクをとるのは10~15年程度に留めて、リスクの高い商品から低いものへ比率を下げていくことが理想となります。最近では積立NISAも始まっており、時間分散をしながら非課税のメリットを活かすことができる制度もスタートしましたので、有効であれば是非活用してみるのもいいですね。

3.まとめ

退職金の運用はまずは、その後の人生におけるお金の色分けをきちんとしえおくことが大切です。そうでないと、先々使いたいときにお金が使えなかったり、使いすぎて資産が早い段階で底をついてしまい本末転倒といったことにもなりかねないです。しかし、将来のお金の予測をたてたり自分自身で色分けすることは容易ではないと思います。家計簿をつけている方も多いかと思いますが、あくまで過去の収支の情報に過ぎません。未来の家計簿としてファイナンシャルプランナーが行うライフプランニングというものがあります。まずはご自身の将来をできるだけ現実に近いカタチで予測をたててみて、そのうえで安心して運用を行える状態が築ければいいですね。そのうえでリスクとリターンに見合った金融商品を選んでいけばいいだけです。特にこれからの退職金の使い方、運用方法について悩みがある方はファイナンシャルプランナーに相談してみてください。

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