「米利上げ」って何? 日本の金利も上がるの?

2018.11.9

「米利上げ」って何? 日本の金利も上がるの?

「米利上げ」のニュースを目にすることが増えています。「米国の金利引き上げ」がなぜ日本のトップニュースになるのか、私たちの生活にどんな影響が見込まれるのか、日本の金利も上がるのかなどについて、今回はお話してみます。

1.「米利上げ」って何?

(1)米国の中央銀行が「金利を上げる政策」を取っている

各国には日本銀行のような中央銀行があり、金利水準や通貨量をコントロールする金融政策を行い、経済に影響を与えています。景気が過熱して物価が上がり過ぎると金利を上げてブレーキをかけ、逆に景気が低迷すると金利を下げてアクセルを踏む、というような役割を果たしています。
米国ではFRB(連邦準備制度)という機関がこの役割を果たしていて、そのFRBがいま、金利を上げる政策を進めている、というのが「米利上げ」です。

(2)今年(2018年)3回の引き上げ、今後もう一段の引き上げも

米国で金融政策の指標とされる金利は、2015年11月まで約7年ほど0.00~0.25%という超低金利でしたが、2015年12月から順次引き上げが始まり、2018年に入ると3月・6月・9月と3回も引き上げがあり、現在は2.00~2.25%まで上昇しています。
市場では12月も引き上げを予想、今後もう一段の引き上げを見込んでいるようです。

2.「米利上げ」で見込まれる影響は?

(1)世界の経済活動にブレーキ

米国で金利水準が上がると、米国の経済活動にはブレーキがかかります。米国は世界最大の市場なので、そこでブレーキがかかると、米国向けの輸出量が減るなどにより、日本も含め、米国以外の世界各国の経済活動にもブレーキがかかります。
なおこのブレーキの目的は「止める」ことではなく「適正なスピードに落とす」ことなので、狙いどおりに効果が出る限り、本来は悪いことではないはずですが、ブレーキ前に見込んだ利益が減るので、株価が下がり、企業にも投資家にも政治家にも評判が悪く、悪いニュースのように取り上げられます。

(2)ドル高・円安

米国で金利水準が上がると、米国への投資が増えてドルの需要が高まり、為替はドル高、日本で言えばドル高・円安の要因となります。

(3)新興国ほどマイナス影響が大きい

新興国は先進国より自国の経済力が弱いので、上記の影響をストレートに受けます。
特に対外債務が大きい国では、返済負担が増えたり、借入が困難になったりして、中には経済危機と言われる国も出てきています。

3.生活への影響は?

(1)消費者として

消費者としては、米利上げに伴いドル高・円安が進んでいく場合は、輸入価格の上昇で物価が上昇する影響が見込まれます。

(2)投資家として

一時的な投資については、米ドル債券への投資については金利上昇のプラス面と為替円安のマイナス面、株式投資(日本・グローバル)については株価上昇にブレーキが見込まれます。
ただし長期・積立で投資中の投資家にとっては、リスクの時間分散(ドル・コスト法)の効果があるので、一喜一憂する必要は無いでしょう。

4.日本の利上げは?

(1)米国の動き、欧州の動き

今から約10年前、2008年9月にリーマンショックという世界規模の金融危機が発生して世界中の経済活動に急ブレーキがかかった時、その対策として米国、欧州、日本の各中央銀行は何れも「超低金利」と「量的緩和」という金融政策を取りました。
しかしその後、米国は2014年10月末に「量的緩和」を終了して「利上げ」を進め、欧州の中央銀行も2018年中に「量的緩和」を終了すると発表しています。金融政策の大きなトレンドは、リーマンショック後の非常事態から正常化を図る方向感です。

(2)日本の利上げは?

米国と欧州の動きを踏まえると、日本の金融政策も長期的な方向は「利上げ」であることは間違いないと思います。しかし日本銀行は今のところ、物価上昇率2%の目標を達成するまで「強力な金融緩和を粘り強く続けていく」としています。
日本でも「利上げ」が始まると、特に住宅ローン金利によるライフプランへの影響は非常に大きいので、今のうちに借りる(借り換える)か、固定金利か変動金利かなど、悩ましいところです。

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