2016.7.7

10年固定を選ぶ価値はあるか?

1.10年固定金利の住宅ローンとは

10年固定金利の住宅ローンとは文字通り10年間は固定金利によってローンが借りられて、11年目以降は変動金利、またはその時点での金利に再固定されるというものです。
一般的に、変動金利の金利の低さと固定金利の安心感という両方の良さを併せ持っているという認識の方が多いと思いますが、それは間違いだと言えます。以下でより詳しく解説をしていきます。

(1)しくみ
   
最初の10年間は毎月の支払金額が約束されており、変動はしません。その後は変動金利にするか固定金利にするかを選べるというものが一般的ですが、その際の適用金利は11年目の金利となるため、金利上昇リスクがあるということになります。
金利優遇によって当初10年の間のみ、大きく金利を下げるタイプと、35年など全期間にわたって低い金利が適用されるタイプがありますが、特に当初10年のみの優遇の場合は11年目以降、金利が大きく上昇し、返済額が跳ね上がってしまうことが起こりえます。10年先に金利がさらに低下する可能性もあるのでは、というご指摘もあるかも知れません。

(2)全期間固定ローンとの比較

全期間固定金利は返済中ずっと金利が上がらないメリットがある分、金利は高めに設定されています。
それと比較すると、10年固定は初めは金利が低く返済額も安く感じますが、その後適用される金利は未知数です。10年後の金利は誰もはっきりとは想像できません。
「過去最低」を更新した現在の金利水準から推測すると、10年後には上がっている可能性のほうが高いとは思いますが、もしかしたらもっと下がることも考えられなくはありません。全期間固定金利は金利が高めと申し上げましたが、実は全期間固定と、変動の差が小さくなってきているのが現状です。

(3)変動金利との比較

 
変動金利は固定期間があるローンに対して金利が低く抑えられることがメリットです。仮に今後数十年間、低金利時代がずっと続いた場合には最もお得ということになります。
ただし、その低金利時代が続く保証はなく、金利上昇リスクがあります。10年固定は変動に比べ金利は高いですが、10年間に限って金利上昇リスクを回避できます。
変動金利ローンの金利上昇リスク、固定金利ローンの金利の高さという両方のデメリットを併せ持っているのが10年固定ローンです。10年後の借り換えを前提とし、10年間、固定の低金利メリットを得たいと思う方がいらっしゃるかも知れません。それも策のひとつでしょうが、もし10年後、予想外に金利が上昇しており、借り換えようと思っても今では考えられないような金利の高いローンしかなかったらどうするのでしょう。そういった可能性まで考慮して10年固定金利ローンは慎重に検討しなくてはなりません。

2.10年固定金利ローンを選ぶべき場合とは

では10年固定金利住宅ローンを選ぶことでメリットが発生するのはどんな場合でしょうか。
10年固定されるメリットを受けるためには、返済をし始めてすぐに金利が大きく上昇し、11年目を迎えるときには再び現在のような低金利時代が到来、その後完済するまで常時その低金利を維持するであろうと予測する場合です。
ここで注意しなくてはならないのは、果たしてこの先すぐに金利上昇するのかということと、11年目以降はずっと低金利を維持するのかということです。この予測に確信が持てないのであれば、安易に10年固定を選ぶのは危険ということになります。
変動は怖いイメージがあり、でも全期間固定は返済額が高い、だからとりあえず10年間は安心な10年固定にして、その先のことは後から考えようという流れで10年固定を選ぶ方が多いのですが、そういった理由で選ぶのは危険です。
10年後に考えようという問題の先延ばしは後々、取り返しのつかないことになりかねません。予想通りうまくいかなかった場合を考え、しっかりと悲観的に準備し、余裕を持って楽観的に対処できるようにしておきましょう。

3.自分にぴったりのローンとは

前段にて固定金利と変動金利と10年固定金利を比べて参りましたが、将来の金利予測が難しい中、自分ならどの形のローンを選んだら良いのかというところが一番気になると思います。実際多くのお客様からそういった内容のお問い合わせをいただくのですが、実はどのケースにも最適となるローンはないのです。
固定金利は支払いが変わらない安心感というメリットがあります。変動金利は、月々の支払いが増えても払っていける余力がある方には得となる可能性もあります。10年固定は変動金利よりは高いが、固定金利よりは低い金利が当初10年間適用されるという特色があります。
人によって選ぶべきローンは様々です。FPバンクではキャッシュフロー診断を行うことでお客様の返済能力を明確にしていきます。そうすれば、おのずとお客様が選ぶべき住宅ローンが見えてくるのです。

まとめ

それぞれのメリット、デメリットをお伝えしましたが、結論としては今後絶対に金利が上がらないと予測するなら変動、金利が上昇するかも知れないと思うのなら全期間固定を選ぶのが良いでしょう。両方のデメリットを持ってしまっている10年固定はあまり積極的に選ぶことはないかもしれません。何千万というお金の借り方を選ぶ重要な選択ですから、選びきれず迷ってしまったらお気軽にFPバンクにご相談にいらしてください。

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