2015.10.2

住宅ローンの頭金は大事じゃない?頭金よりもっと大切なこと

1.頭金を正しく理解しよう

住宅購入の時、頭金をいくらにするか? 住宅ローンを考える時、頭を悩ませる方も多いでしょう。中には「なるべく多く頭金を出したい」という方もいらっしゃいますが、本当にそれが良いのでしょうか。住宅ローンの頭金の真実に迫ります。
「頭金」と同じような言葉に「自己資金」というものがあります。あまり違いを意識せずに使っている方もいらっしゃいますが、「自己資金」とは住宅購入にあたり、自分で用意するお金のこと。自己資金は「頭金」と「諸費用」に分かれることが一般的です。
(1)頭金と諸費用は違う
「頭金」と「諸費用」はなにが違うのでしょうか。両者の違いは、本体価格に含まれるかどうかの違いと考えれば大丈夫です。例えば、3000万円の中古物件を購入するとしましょう。自己資金は500万円出すとします。中古物件の諸費用は一般的に物件価格の10%程度と言われていますから、約300万円。残りの200万円が頭金となり、物件価格から頭金を引いた2800万円のローンを組むことになります。
(2)諸費用まで借りるといろいろ大変
一口に「諸費用」と言っても、内訳は様々です。大きなところでは不動産業者に払う仲介手数料やローンを組む時の手数料がありますが、物件価格の10%(新築物件では一般的に5%)は大きな金額です。
実はこの諸費用も金融機関から借りることができるのですが、金利は高くなります。最悪の場合、将来的に借換ができないなどというケースもあり、注意が必要です。住宅購入を目指す人は、まずは諸費用分の自己資金を貯めることから始めましょう。

2.頭金を多く出すとこんなに良いことがある。

諸費用を出した残りの自己資金が「頭金」となるわけですが、「頭金は多いほど良い」は本当でしょうか。頭金を多く出すことのメリットは、大きく分けて2つあります。
(1)金利の優遇が受けられることがある。
頭金を多く出すことによって、有利な条件で住宅ローンを組めることがあります。例えば、住宅支援機構が行っている「フラット35」では、頭金を1割出せるかどうかで適用される金利が変わってきます。両者の金利差は0.1%ほどですが、長期間に渡って支払いを続ける住宅ローンの場合、この差は結果として大きなものになることがあります。
(2)ローン金額が減ることで返済額も減る。
もう一つ、当たり前のことですが、頭金を多く出すことでローン金額が減り、その分の利子を払わずに済みます。住宅ローンの金利が高ければ高いほどその効果は大きく、利子だけで数十万~数百万の差になる可能性もあります。また、頭金を多く入れて住宅ローンの返済期間を短くすることで、金利負担を抑える方法もあります。

3.大事なのは頭金じゃない

こうして見ると、頭金はできるだけ多くいれたほうが良いというのは間違いではありません。でも、ちょっと待ってください。長い人生において本当に大事なのは「頭金をいくらにするか」ではないのです。
(1)目先の損得にこだわらない
住宅購入に限らず、我々はなにかと言うと目先の損得にこだわりがちです。ちょっとでも安いほう、ちょっとでもお得なほうに目が行ってしまいます。しかしながら、長い人生の中で、本当に大事なのは目先の損得ではありません。人生の中でどうお金が回っていくかのほうがよほど重要です。つまり、本当に大切なのは「頭金をいくらにするか」ではありません。「頭金を出した後にどのくらいの現金が手元に残るか」です。
(2)ライフプランのキャッシュフローを考える
我々は日々の生活の中で、絶えず収入を得、その一方で消費していきます。その両者の差で貯金が増えたり減ったりしていくわけですが、これを「キャッシュフロー」と言います。ライフプラン上で貯金が尽きないようにするためには、このキャッシュフローがとても大事なのですが、頭金を多く入れすぎてしまうことでキャッシュフローが回らなくなることがあります。
住宅購入時に貯金を使いきってしまい、その後の生活費や子供の教育資金まで手が回らなくなってしまうケースです。住宅ローンで多少の得をしたとしても、その後の生活が成り立たないのでは意味がありません。その意味で、「頭金を出した後にどのくらいの現金が手元に残るか」が大事なのです。

4.まとめ

「借金はなるべく少なくしたい!」「ローンはなるべく早く終わらせたい!」
多くの人が思う、当然の感情だと思います。ただし、あまり損得にばかり気を取られると思わぬ形で足元をすくわれる結果にもなりかねません。長い人生です。ライフプラン上のキャッシュフローという観点からも考えてみれば、きっとあなたにとって最適な頭金が分かるはずです。

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