2015.5.23

固定金利・変動金利 その選択があなたの人生を左右する

固定金利・変動金利 その選択があなたの人生を左右する

住宅購入を決意したあなた、既に契約まで済んでいるあなた。いよいよ、住宅ローン決断の時期、選択を誤れば、あなたの今後の人生を大きく揺るがす事態に!固定金利?変動金利?住宅ローンの選び方には、実は正しい方法があるんです!
※本コラムで扱う、固定金利とは借入全期間固定金利です。
※3年固定や5年固定など固定期間選択型の変動金利も、変動金利として扱います。

1.そもそも、固定金利・変動金利とは

(1)固定金利とは
住宅ローンでいう、固定金利とは、借入期間中の適用金利が契約当初金利のまま固定される金利タイプのことをいいます。では、固定金利の金利は、何を基準に決定されるのでしょうか?
固定金利の代表的な住宅ローンである、フラット35を例にとると、10年物の新規発行国債の金利を基準に決まります。実際の適用金利は、物件の引き渡し時(融資実行月)の金利が適用されます。したがって、引き渡しが少し先の方は、実行月の金利発表(毎月1日)をドキドキしながら待つことになります。
(2)変動金利とは
住宅ローンでいう変動金利とは、借入期間中の適用金利が、半年ごとに見直され、変動する金利タイプのことをいいます。では、変動金利の金利とは、何を基準に見直されるのでしょうか?
変動金利の代表的な住宅ローンである、メガバンクの住宅ローン(みずほ、三菱東京UFJ、三井住友)を例にとると、短期プライムレートを基準に決まる店頭金利から適用金利が決定します。
①例えば、みずほ銀行の短期プライムレートは1.475%です。
②これを基準に変動金利の店頭金利は2.475%と設定されています。
③ここから、優遇金利の1.7%を差し引いて、0.775%(2.475%-1.7%=0.775%)が適用金利になります。
この適用金利は、半年ごとに見直されるため、住宅ローンの返済計画表は半年ごとに送付されてきます。
※短期プライムレートとは、金融機関が優良企業向け、短期(1年以内の期間)で貸出時に適用する最優遇貸出金利(プライムレート)のことをいいます。
※店頭金利とは、各銀行が独自に設定している住宅ローンの基準となる金利です。各銀行が自由に設定できるため、銀行によって金利が異なります。メガバンクに関しては、上記の短期プライムレートを基準にしています。
3年固定、5年固定などと呼ばれるものは、当初の3年、5年のみ金利が固定され、その後は、固定期間経過時の金利で、変動金利か、再度短期固定期間を選択する金利タイプです。
固定期間の短いものは、変動金利と同じと理解しても良いでしょう。35年にもわたって返していく住宅ローンにおいて、わずかな期間固定していても、金利変動の影響は避けられないからです。

2.住宅ローン固定金利と変動金利それぞれのメリット、デメリットとは

(1)変動金利のメリット
変動金利のメリットといえば、現時点での適用金利が低いことが挙げられます。メガバンクでは0.775%です(平成27年3月現在)
長期固定金利の適用金利が1.46%(フラット35・平成27年3月適用金利・21年以上の借入期間)と比べると、当初は1%近く適用金利が低くなることもあり、月々の返済額で比べれば1~2万円の差が出ることになります。低金利状態が続けば、固定金利よりも負担額が抑えられるというのが変動金利を選ぶ大きなメリットです。
(2)変動金利のデメリット
これは、多くの皆さんが感じている、今後金利が上昇していくことにより、住宅ローンの返済額、支払利息の負担が増加する危険があるということです。金利が1%違えば、返済額が1~2万円増加、2%違えばといった具合に、当初の想定と異なり、住宅ローンの負担額が家計を圧迫することになります。今後の金利動向によっては、固定金利を選択した方が、最終的な支払額は少なくてすんだのにという可能性もあります。
6カ月ごとに、送られてくる適用金利と返済額のお知らせをみながら、金利上昇の不安をいつも抱えて暮らしていく精神的な負担も変動金利のデメリットといえます。
【5年ルール】
変動金利の場合、半年ごとに適用金利は変化しますが、5年間は返済額を変えないというルールがあります。ただし、返済額の内訳(元金と利息の割合)は金利上昇分だけ利息の割合が増えることになります。
【125%ルール】
5年毎に見直される返済額ですが、仮に金利が急上昇しても、月々の返済額は1.25倍以上には上げないというルールがあります。(1.25倍以上に金利負担がある場合には、免除される訳ではなく、未払い利息として溜まっていきます)
ただし、3年固定、5年固定など固定期間選択型住宅ローンは、固定期間終了後の月の返済金額の上限はありません。全期間変動金利と違い返済額制限のルールがないことに注意が必要です。
(3)固定金利のメリット
固定金利のメリットといえば、月々の返済額、適用金利が借入期間中ずっと変わらないことです。変動金利よりは金利水準が高いとはいえ、史上まれにみる低水準です。固定金利の代表的な住宅ローンである、フラット35の金利を参考までに掲載します。
フラット35:1.47%(H27年3月)
フラット35S:0.87%(H27年3月)
(4)固定金利のデメリット
当初の返済額が変動金利の住宅ローンと比べると割高である、今後の金利の水準が上がらなければ、結果的には、変動金利で借りていた方が、最終的な支払額が少なくてすんだのにという可能性があります。

3.住宅ローン金利・今後の推移はどうなる?!

(1)住宅ローン過去のデータ
さて、住宅ローンを決める前に、皆さんの気になる金利がどのように動いてきたかを検証してみましょう。
(※店頭金利・ここから優遇金利がひかれます)
住宅ローン金利推移
(都市銀行変動金利タイプの店頭金利推移 出典:住宅金融支援機構HPより)
変動金利は過去20年ほとんど変化がありません。固定金利は、年々下降しています。過去の金利水準が、今と比べると高いのがわかります。
(2)住宅ローン金利はこれからどうなる?
過去の金利の推移は、ご理解いただけたと思います、では肝心の今後の金利がどう動いていくのかの展望を見ていきましょう。
現在は、低金利の状態が長く続いています。では、このまま低金利の状態が続くのでしょうか?もちろん、経済的な要素が複雑にからむ、長期にわたる金利水準を予測することは、不可能に近いです。ただ、一ついえることは、現在の日本国の借金の水準や2%上昇の物価目標を定めた昨今の政策に鑑みると、今後のインフレ→金利上昇の可能性は十分予測されます。

4.住宅ローン、金利選びのセオリーとは!

(1)意外と知られていない金利選びの基本
『低金利の時代には、固定金利で、高金利の時代には、変動金利で借りる。』というのが金利の選びの基本です。金利が低いときには、低いところで固定してしまう。高いときには、今後下がる可能性が十分予測できるので、変動金利で借りることになります。
(2)固定・変動みんなどっちで借りているの?
日本の場合、実は変動金利が7割を占めます。見た目の返済額が低い変動金利が魅力的に映るようです。返済額の負担を小さく見せるため、工務店や不動産業者の方は、変動金利をおすすめすることが多く、銀行も今後自行の利益につながる変動金利を勧めることが多いというのも要因です。
アメリカ人は、投資に積極的というイメージがあると思います。とすると、変動金利を選んでいると思いがちですが、実際には、固定金利がほとんどです、その代わり老後の年金がわりの積み立てには積極的に運用商品を取り入れています。日本とは真逆ですね。

5.金利タイプの正しい選び方!変動・固定どっち?

金利動向や一般的な選び方(セオリー)はわかったけれど、私の場合はどうなのというあなた。ここからは、あなたに合った金利タイプの選び方を解説していきます。
それは、ライフプランにあった選び方です。家族構成や年齢、今後の教育資金の支払いや収入の変化など家計はそれぞれですから将来を見据えた収支を予測することが大切です。その上で住宅の予算を検討して行きます。
以下にライフプランと住宅の予算の関係から金利タイプを選ぶ方法について述べて行きます。
①住宅ローンの支払金額を合算しても、しっかりと貯蓄ができ余裕をもって老後への資産形成が出来る方
 → 変動金利を選択してもOK
 
②住宅ローンの支払金額を合算すると、貯蓄に回す余裕がやや少なく老後への資産形成に不安の残る方
 → 固定金利をお勧めします
③住宅ローンの支払額を合算すると、貯蓄に回す余裕が少なく、老後への資産形成が出来ない方 
 → 住宅予算の見直しをお勧めします
あくまで目安ですが、将来に向けて余裕をもった貯蓄が出来るかどうかがポイントです。正確に算出するには生涯を通じたライプランニングを行うのが良いでしょう。

6.既に住宅ローンを借りているあなたにできる将来の負担を削減する方法

(1)借り換えをする
十分な検討無しに借りてしまった。そんなあなたでも対策はあります。そのひとつが、住宅ローンの借り換えです。現状と今後を分析したうえで、あなたに合った住宅ローンに借り換えましょう。費用はかかりますが、借入期間、金利プランを変更することで、現状の低金利を考えると、負担が軽くなることもあるはずです。
(2)繰上げ返済をする
もう一つの対策が、繰り上げ返済です。手元に余裕資金があれば、繰り上げ返済することで、返済期間を短くするか、返済額を軽減することができます。ただし、やりすぎは要注意!返してしまったお金は二度と戻ってきません。
今後の支出見込みをきちんと考えたうえで、余裕がある分を繰り上げ返済に回しましょう。頑張って、繰り上げ返済したけれど、支出の見込みが甘く、資金ショートしてしまった・・・意外とよく聞く話です。

7.まとめ

固定金利、変動金利、どちらを選ぶかに絶対の正解はありません。ただ、今後の支出、収入を長期にわたって冷静に考えることで、今後の金利変動に左右されない、自分にあった住宅ローンが見えてくるはずです。住宅ローンプランの決定は、いつまでに決めてくださいなど、あせらされることが多いと思います。あなたの今後の人生がかかっています、プレッシャーに負けずしっかり考えましょう。

執筆:久保田正広

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