2017.6.8

アリとキリギリスから学ぶ、住宅ローン「3つの教訓」

これは、働き者で何事にも計画的なアリさんと、楽しいことが大好きでちょっぴり無計画なキリギリスさんの住宅購入(住宅ローンの借り方・返し方)のお話です。計画的なアリさんは、事前にネットや本でよく調べた上で、無計画なキリギリスさんはあまりよく調べず行き当たりばったりでローンを組みました。「計画的なアリさんなら、後悔することはないのでは?」とお思いでしょう。しかし、残念ながらアリさんもキリギリスさんも、(程度の差こそあれ)後悔することになってしまいました。二人(二匹?)は何がいけなかったのでしょうか。このお話から私たちが学べる教訓は3つあります。一緒に見てみましょう。

1、ある暑い夏…

とある原っぱでの出来事です。働き者のアリさんは、食料となるパンを汗を流しながらせっせと運んでいました。一方キリギリスさんは「こんな暑い日に働くなんてまっぴらだ!」と、昼間からビール片手に仲間とバイオリンを弾きながらどんちゃん騒ぎ。キリギリスさんはアリさんにこう聞きます。

「何もこんなに暑い日に働かなくても。一緒に飲もうよ!」

アリさんはこう答えます。

「でも冬の分の食料がまだ確保できていないんだ。もう少し頑張るよ。ありがとう!」さすが計画的なアリさん、先を見据えて行動する大切さを知っています。

さて、こんなアリさんとキリギリスさん、それぞれ小さな子供を2人抱えていました。子供は4歳と1歳、上の子は遊び盛りで、リビングはいつもおもちゃが溢れ返るカオス状態…。小学校に上がれば自分の部屋も欲しがりそうだし、途中で転校させるのは忍びないし、今のうちに大きな家に引っ越そうか…と奥さんと相談しているところでした。

2、そんなある朝…

アリさんとキリギリスさんの家にこんな折り込みチラシが入ります。

「駅近!新築戸建て!4000万円!(残り2棟!売り切れ御免)」
おぉ、ここなら子供の保育園も変えなくていいし、いいんじゃないか。

「頭金ゼロでも月々の返済額は11万円(※変動金利0.875%の場合)、今お支払の家賃と比べてみて下さい!」
えぇ?今払っている家賃とそう変わらないじゃないか!

「○月○日、オープンルーム中!」
よし、行ってみよう!
アリさんとキリギリスさんは、それぞれオープンルームに足を運ぶことにしました。

3、さてオープンルーム当日…

最初に現地に到着したのはアリさんです。迎えたのは「原っぱ不動産」の営業担当テントウムシさん。早速、内装や間取り・設備について流暢に説明し始めます。

“うんうん、なかなかいいね♪”
アリさんの気持ちは高まります。

最後に渡されたのは「資金計画書」。テントウムシさんはこう尋ねます。

「今のお家賃はいくらですか?」
―「11万円です」
「ええ!そんなに!それなら月々の支払いは変わりませんよ!しかも頭金ゼロです」
―「そうなんですか。(心の声:でも変動金利・35年ローンの場合って小さい文字で書いてあるし…。金利が上がったらどうなるんだろう。しかも35年後だと70歳。老後の生活を考えると繰上返済もしないといけないし。これから子供の教育費もかかるし、持ち家となれば固定資産税や家の修繕費もかかるはず。今の家賃と同じと言われても不安だなぁ…)」
―「気に入ってはいるんですが…ちょっと検討します。」
揺れる心を抑え、アリさんは一旦家に帰ることにしました。“一生に一度か二度の大きな買い物。ここで焦っちゃだめだよね…”

続いてやってきたのはキリギリスさん。同じようにテントウムシさんから流暢な説明を受けた後、「資金計画書」を渡されます。

「頭金ゼロでも、今の家賃とほぼ同じ支払額で買えますよ」
―「本当ですか!同じ家賃で新築の戸建てが手に入るなんて!しかも今の家より広くなるし、お庭もあるし、食洗器や床暖房もついて!か、買います!」
「ありがとうございます!」
―「あ、でもちょっと待って下さい。ちゃんとローンを返していけるか不安です。年収は〇万円なのですが大丈夫でしょうか?」
「そうですね、まずはローンの審査をしてみましょうか。これが通れば銀行のお墨付きをもらったようなもの、きっと大丈夫ですよ」
―「そうですか、分かりました。ちょっとドキドキしますが源泉徴収票持ってきますね!」

4、…3日後、キリギリスさんのお家では

プルルルル、テントウムシさんから電話が入ります。
「キリギリスさん、おめでとうございます。無事審査は通りましたよ。このままご契約で宜しいですか?」
―「わ!本当ですか!嬉しいなぁ。はい、そのまま話進めて下さい」

と、半ば衝動買いに近い形で契約に進んだキリギリスさん。もちろんこの時点でローンの借り方なんて考えていません。頭の中は、新しい家のインテリアやどの部屋をどう使おうかな♪とかそんなこと。住宅ローンは不動産会社からオススメされた「変動金利」「35年ローン」で組みました。

5、一方アリさんはというと…

住宅ローンについてネットや本で色々調べ、家計簿とにらめっこ。「あの物件が本当に自分の身の丈に合っているのか」よくよく考えました。結果「…よし、なんとかやっていけそうだ!」早速テントウムシさんに、まだ物件があるのか連絡します。
「アリさんですか。先日はご来場ありがとうございました。物件ですか?別の区画にまだ1棟残っていますよ。でももう決まってしまうかも知れません。内覧されますか?」
―「はい、ぜひ!」
「では明日お待ちしております」

別区画の物件もアリさんは大変気に入り、その場で即決。自分に無理のない借入額は既に調べ済みなので、住宅ローンも問題なく通り無事に契約となりました。

ちなみに住宅ローンは、

  • 元金均等
  • 固定金利
  • 30年ローン
  • 自己資金は手持ちのお金めいっぱい

で組みました。リスクはとりたくないので固定金利を選んだものの、利息をなるべく少なくしたいアリさんは「オトク」な借り方を沢山取り入れました。また毎年浮いたお金が出れば、積極的に繰り上げ返済。残債が減っていくのを見て、ほっと胸をなでおろします。

6、さて、このアリさんとキリギリスさん、この後どうなるのでしょうか?

まずキリギリスさん。実はキリギリスさん、銀行が決めた返済比率(年収の35%)ギリギリまで借りていました。子供が大きくなり出費が増えるにつれて、毎月のローンの返済がじわじわ家計を苦しめます。“う~ん、おかしいなぁ。銀行が貸してくれたんだから返せるはずなんだけど。なんだかキビシイな”。貯金をしては取り崩すの繰り返しで、なかなか教育資金も貯められません。仕方がないので趣味だったバイオリンは売り、ビールは卒業、旅行など贅沢な娯楽は控えるようになりました。夢のマイホームを手に入れたはいいものの”なんだか味気ない人生になっちゃったなぁ…”

一方アリさんはというと。
オトクな借り方を実践し、毎年繰り上げ返済をしていたので、総支払利息は、キリギリスさんと比較すると100~200万円くらい削減できていました。しかし、上の子が高校2年生になった年、あることに気が付きます。”あれ?大学の費用、足りないかも知れない…”。そうです、毎年真面目に繰り上げ返済をした結果、気づけば手元にあまり現金がありません。しかも、下の子もすぐ大学進学。仕方なく奥さんにはパートに出てもらい、アリさん自身も毎晩遅くまで、休日も働きずめです。夢のマイホームを手に入れたはいいものの”なんだか、家族と一緒にいる時間が短くなっちゃったなぁ…”

7、このお話からの教訓は3つです

①借りられる額≠返せる額
「銀行の審査が通ったのだから、きっと返していけるだろう!」という考えは安易です。なぜなら銀行は「いくら貸すか?」を、主に「自己資金(頭金)の額」と「返済比率(年収と借入額の比率)」から判断しています(もちろん他にも勤続年数や属性等ポイントはありますが)。ざっくり言うと「これだけ頭金を準備できていて、この年収なら○○万円まで大丈夫だろう」という具合です。しかし実際はほとんどのご家庭が、住宅ローンを返済しながら「教育資金」と「老後資金」を準備していくことになります。つまり本当は「住宅」「教育」「老後」の資金、トータルで見ないと「返していけるのかどうか」は分からないのです。仮に返済が滞るような事態にならなくても、教育費がかかる時期になって生活水準を大きく下げざるを得なかったり、65歳までに完済できたのはいいものの、老後資金が全く貯められていなかったり…、そんなことにもなりかねません。銀行がOKと言ったから安心!ではないのですね。

②「オトクな借り方」を全て取り入れると命取り
住宅ローンのオトクな借り方、つまり総支払利息を少なくする借り方は以下の通り。
  

  • 頭金を沢山用意する
  •   

  • 借入期間は短くする
  •   

  • 元金均等返済〇 元利均等返済×
  •   

  • 変動金利〇 固定金利×
  •   

  • 繰り上げ返済を沢山する

この一つ一つはなんら悪いことではなく、上手に取り入れればいいのですが、やり方を間違えたり、やりすぎてしまうと家計の収支が大きく狂ってしまうので注意が必要です。

③欲しいと思える物件と出会ってからでは、もう遅い
なぜ住宅ローンで後悔する人が出てくるのか、それは住宅購入のタイトなスケジュールが関係しているかも知れません。住宅購入(既に完成している住宅の場合)の一般的なスケジュールはこの通りです。

【欲しいと思える物件に出会ったら…】

  • ステップ①買付依頼書の提出
  • ステップ②住宅ローンの事前審査提出→承認を得る
  • ステップ③契約
  • ステップ④住宅ローンの本申込提出→承認を得る
  • ステップ⑤金消契約(金融機関とお金を借りる契約を結ぶ)
  • ステップ⑥決済(金融機関から振り込まれたお金を売主に支払う&物件の引き渡し)」

ステップ①~③の期間は基本たった1週間、つまり土日に欲しい物件と出会ったら、翌週の土日にはもう契約です。その間に「住宅ローン、どこでどう借りようかしら?」と比較検討している余裕はありません。基本、不動産会社が提携している金融機関で事前審査を通すことになります。

そしてステップ③~⑥の期間は基本1~2か月です。また金融機関もお金を貸す準備が必要ですので、ステップ⑥の1~2週間前にはステップ⑤金消契約を終えていなければいけません。しかも金消契約前には、固定か変動か等、細かい条件は決まっていることが大前提です。事前審査~本申込の承認まで最短でも1週間半程度かかることを考えると、つまり契約後も「住宅ローン、どこでどう借りようかしら?」と比較検討している余裕は意外とないのです。

少し想像してみて下さい。ただでさえ初めての住宅購入、区役所に公的書類を取りに行ったり、不動産会社との細かいやり取りがあったり、引っ越しの手配等もしなければいけません。平日に各銀行の窓口に相談に行き、また一から書類を揃えて事前審査&本申込みをして…という時間と労力を割ける人は少ないのではないでしょうか。結果、じっくり検討することなく「固定?変動?それとも10年固定がいいの?」「35年ローンで大丈夫かしら?」「元利均等?元金均等?」「定年までの完済を目指すなら、いくら繰上げ返済しておけばいいの?」等々、色々な疑問がうやむやになったまま、とりあえず誰かがおススメした借り方、お得だと言われている借り方を選択してしまう人が出てくるのです。もちろんそれで上手くいくケースもあるでしょう。でも長い長い付き合いになる住宅ローン、せっかくなら自分達で理解し納得した上で進めたいですよね。

8、どうしたら後悔しないの?

ポイントは3つ。

  • 「自分にとって、いくらが適正な借入額なのか」
  • 「自分にとって、どんな借り方・返し方がベストなのか」
  • これを「物件を見始める前に」調べておくことです

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