2015.11.19

贈与税の非課税枠を活用すると数百万円得する?

1.贈与税の非課税枠が広がっています。なぜでしょう?

贈与税に贈与ずる財産の目的により非課税枠があります。教育資金贈与、子育て・出産資金贈与などお得な非課税枠を押さえておきましょう。また、贈与の歳の資金管理方法も知っておくことが重要です
(1)なぜ、贈与税の非課税枠が広がっているのか?
親や祖父母が子や孫に資産を贈与する際に発生するのが贈与税です。近年、贈与税の非課税枠が増えてきています。その背後には何があるのでしょうか。それは、一言でいうと「経済を活性化させたい」ということです。労働人口が減り、平成6年をピークに労働者の賃金が下がる傾向にあります。
平成21年度の一世帯当たりの平均所得は549万円(厚生労働省調べ)となっています。このような状況になると、消費活動が冷え込み経済活動も沈静化してしまいます。その状況を打破していくために、世の中の方がもっとお金を使う状態にする必要があります。その一つの打開策として「贈与税の非課税化」があるのです。
(2)贈与税の非課税枠が広がると
贈与税の非課税枠を拡大することにより、贈与税がかかるぐらいなら相続まで待とうと思っていた親世代が贈与をするようになることが考えられます。そうすることで、若い世代の人たちが手控えていた消費行動増やすようになります。その結果、経済が活性化されるようになってくるのです。
(3)贈与税の非課税枠
具体的にどのような非課税枠があるかを簡単に振り返りましょう。
①住宅資金贈与枠2000万円
正式には「住宅資金非課税限度額」といいます。平成15年度は良質な住宅用家屋には1500万円、それ以外の住宅用家屋には1000万円まで住宅用の資金を非課税で贈与できます。(諸条件があります)
②教育資金贈与枠 1500万円
親や祖父母から子や孫に教育資金として一人当たり1500万円までの贈与に限り「非課税」となります。子や孫が30歳になるまではこの非課税枠を使えます。必ずしも学費や入学金のみに限定されるわけではなく、500万円を上限に習い事などの費用に関しても非課税となります。
③結婚・出産・子育て資金贈与枠 1000万円
こちらは養育資金贈与と似ていますが、結婚・子育て・出産に関する費用として、1000万円の贈与までは非課税となります。20歳以上の子・孫が受贈者の対象となり、受贈者が50歳になるまで非課税枠を活用できます。この資金には、結婚にまつわる住居費用の仲介手数料や礼金なども含まれます。
もちろん、出産・子育てに関する分娩・入院費用が出るだけでなく、保育園などの費用も含まれます。主な「非課税枠」が活用できる贈与は上記になりますが、それ以外にも基本の「暦年贈与」の非課税枠があります。こちらも軽く振り返っておきましょう。

2.暦年贈与とは?

(1)暦年贈与のポイントと注意点
暦年贈与は、毎年一定の金額の範囲であれば非課税になるという「暦年課税」をつかい、毎年一定額の贈与を行い、相続財産を減らす方法です。毎年110万円までなら非課税で財産を贈与することができます。
相続時の相続財産を減らすために有効な方法であるだけでなく、子・孫世代にとっては将来の経済的な不安を軽減させるシステムと言ってもよいでしょう。この110万円という枠は、受け取る側が110万円という意味で、渡す側は何人に渡しても構いません。また、何年にわたって渡しても構いません。
ただし、相続が発生した場合は3年間遡って相続税がかかります。この際に注意することとしては、「毎年一定額にしないこと」ということです。あらかじめ110万円を10年間と決めて、毎年同じ時期に同じ金額を贈与すると「計画的に決められた贈与の権利が発生している」とみなされて、贈与税がかけられるからです。
(2)暦年贈与が認められないことがある?!
また、暦年贈与がしっかりとされていることが証明されないと、その贈与そのものが無効になることがあります。下記の3つのことがポイントと言えます。
①毎年、贈与契約書をつくり「誰にいくらいつ贈与した」ということを明文化しておくことです。毎年、時期をずらして金額も一定額にしないことも大事です。
②さらに、贈与が正確にされたという事実を残しておくこと。具体的にいうと、必ず受贈者名義の銀行の通帳などに「誰からいくら贈与された」という記録を残しておくことが大切です。
③最後にその資金が入っている通帳や銀行の印鑑などの管理を受け取る側がしているということです。孫のためを思って、祖父母が毎年贈与をしていてもその通帳の管理を祖父母自身がしていては認められないということです。

3.まとめ

贈与税の非課税枠の活用により、相続前に大きな相続財産を減らすことができるだけでなく、若い世代が資産を持ち、消費活動を刺激することができます。将来の資金不足から、結婚・出産に消極的になっている状況を改善し、教育にもお金をかけられる状態へと支援していこうという意図が非課税枠の拡大です。うまく活用して、効率的な贈与を行いましょう。

執筆:久保田正広

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