2016.5.13

公的医療保険に加入しているのなら、仕組みは知っておきたいですよね

1.日本国民全員が加入する「皆保険」制度

日本では「国民皆保険制度」を導入しています。
これは国民全員が何らかの公的医療保険に加入することで、病気やケガの場合には誰でも漏れなく、医療費などの給付を受けることができるようにする制度です。
公的医療保険は以下の3種類に大別することができます。
(1) 国民健康保険
自営業者やフリーランス、退職者が加入します。
(2) 被用者保険
会社員や公務員などの被用者が加入します。
一口で被用者保険といっても、さらにいくつかの種類に分かれます。
企業の従事者が加入する「健康保険」、公務員や教職員が加入する「共済組合」、船舶の船員が加入する「船員保険」など、働き方によって変わります。
(3) 後期高齢者保険
75歳以上の人が加入します。
また、65~74歳で一定の障害状態の人も対象になります。

2.公的医療保険の給付内容は?

複数の種類がある公的医療保険ですが、基本的な給付内容に違いはありません。
まずは次の3つを押さえておきましょう。
(1) 治療費の自己負担割合
病院等で治療を受けた際、私たちは保険証を窓口に提示することで治療費の全額を払う必要はありません。
一定の自己負担割合に応じた部分だけ支払いをすれば、医療サービスを受けられるのです。
この自己負担割合は年齢によって異なり、原則として下記のように定められています。

  • 小学校入学前 ⇒ 2割負担
  • 小学校入学後~69歳 ⇒ 3割負担
  • 70~74歳 ⇒ 2割負担
  • 75歳以上 ⇒ 1割負担

※所得水準やその他条件によって異なる場合もあります
(2)高額療養費制度
そもそも治療費がものすごく高かったら、自己負担が3割だといってもかなり多くの金額を払わないといけない可能性がありますよね。
そんな場合に活用できるのが、「高額療養費制度」です。
これは医療費が高額になった場合に、一定額以上の自己負担部分を免除(返金)してくれるありがたい制度です。
この限度額は一律ではなく、収入によって変わります。


所得区分 ひと月あたりの自己負担限度額(円)
年収約1160万円~
健保:標報83万円以上
国保:年間所得901万円超
25万2600円+
(医療費-84万円)×1%
年収約770万~約1160万円
健保:標報53万~79万円
国保:年間所得600万~901万円
16万7400円+
(医療費-55万8000円)×1%
年収約370~約770万円
健保:標報28万~50>万円
国保:年間所得210万~600万円
8万100円+
(医療費-26万7000円)×1%
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:年間所得210万円以下
5万7600円
住民税非課税者 3万5400円

(出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」より)


例えば30歳の会社員(標準報酬月額30万円)で、月に100万円の治療費がかかった場合。
自己負担割合が3割だと本来は30万円の支払いが必要ですが、この高額療養費制度を利用すると87430円が限度額となるので、21万円以上が返金されることになります。
ただし、食事代や差額ベット代、保険外診療の負担分はこの制度の対象にならないので注意が必要です。
(3)出産育児一時金
出産に際しては一時金の給付があります。
出産育児一時金といい、一児につき42万円が支給されます。
出産費用がだいたい40~50万円程度といわれていますので、この一時金があれば出産費用を大体まかなうことができますね。

3.被用者保険特有の制度

どの公的医療制度でも基本的な給付内容は同一ですが、被用者保険に加入している方だけが利用できる制度というのもあり、国民健康保険と比べて保障が手厚くなっています。
(1)傷病手当金が最長1年半もらえる
病気やケガで長期にわたっての療養を余議なくされると収入が減少する可能性が大きいですが、そんな場合の保障制度が「傷病手当金」です。
業務外の事由で発生した病気やケガで仕事を連続して4日以上休み、その間の給料支払いが無かった場合に利用が可能です。
最大で1年6カ月の間、1日につき標準報酬日額×3分の2の 手当金を受け取ることができます。
もし休業期間中に会社から給料の支払いがあった場合、傷病手当金は原則として支給されませんが、受け取った給料が傷病手当金より少ない場合にはその差額部分のみ受け取ることが可能です。
(2)出産手当金
働きながら出産に臨むママへの保障として、出産育児一時金とは別に「出産手当金」の制度があります。
これは出産で仕事を休んでいる期間、産前・産後合わせて最大96日間にわたり標準報酬日額の3分の2相当の給付を受けられる制度です。
※詳しくはコラム「働くママを支援する「出産手当金」制度を活用しよう!」をご覧ください

まとめ

自分が加入している公的医療保険の仕組みはしっかりと理解し、必要な時には十分に活用できるようにしておくことが大切です。
特に被用者保険は勤務先によって制度の内容が異なる場合がありますので、どんな制度があるのかまずは勤務先に確認してみましょう。
この公的医療保険で不足する分についての備えとしては、民間の生命保険や医療保険を活用することになります。
現状を理解した上でさらなる備えが必要かどうか、一度じっくり検討してみてください。

ページ上部へ戻る