2015.11.5

医療費の自己負担限度額は8万円?医療費よりも問題なのは?

1.医療費の自己負担金額は8万円?

大きな病気に掛かる実際の医療費の自己負担金額っていくら?先進医療はどんな治療の時に使うの?医療費はどれくらい?そんな疑問にお答えします。病気になったら医療費よりも恐いことがある!?
(1)実際の窓口負担金額
病気やケガの治療費を心配して過剰な入院保険などに加入していませんか?大きな病気で入院したり手術したりした場合、どれくらいの医療費が掛かるのかネットなどで調べた人も少なくないと思います。がんなどの大病は医療費100万円!なかには300万円!!などと記載しているものも少なくありません。本当にそれだけ掛かるのでしょうか?
注意しなければならないのは、医療費と患者が実際に支払う金額は違うということです。例えばがんに掛かる医療費総額を見ると50万~150万ほどになると言われております。保険診療は3割負担になりますので、自己負担分は15万~45万程になります。そして健康保険には高額療養費制度があります。
この制度により患者が支払う1カ月の自己負担分に限度額があります。一般所得の方であれば約8万円、1年間に4回以上の高額療養費制度適用分からは4万4400円が限度額になります。その他に掛かる費用として食事代一食分260円、個室に入る場合は差額ベッド代1日平均5,828円(病院によります)。しかもがんでの平均入院日数は20日以下です。
これらの事を考えると医療費に対してはそこまで怯えなくても良いと私は考えます。確かに例外はありますが過剰な入院保険などに加入するよりは、50万円~100万円ほど貯蓄があれば医療費の備えとしては十分だと思います。
(2)高額療養費制度の落とし穴
医療費の補助制度として高額療養費制度について記載しましたが、実は注意点が3つあります。
①保険診療以外は適用されない。
健康保険の適用されない治療などに関しては、3割負担どころか全額自己負担になる場合があるので注意が必要です。例えば以下のものがそれにあたります
・薬価基準収載前の承認医薬品の投与
・保険適用前の承認医療機器の使用
・薬価基準に収載されている医薬品の適用外使用
いわゆる先進医療や自由診療などがそれにあたります。
②世帯で合算出来る。
実は高額療養費制度は医療費用だけでなく介護費用も合算出来ます。そして個人だけではなく世帯で合算出来ます。
まず医療費は同じ健康保険に所属している家族がそれぞれ窓口で21,000円以上支払った場合(70歳未満)は合算出来ます。
介護費用については、例えば親の介護費用と自己の医療費用などが高額になった場合に合算出来ます。
ただし、合算出来るのは同一の健康保険に加入している事などが対象となる他、合算制度は少し複雑なので、思い当たる場合は市や区の相談窓口に相談して下さい。
③月またぎの注意点
高額療養費制度の適用は1カ月あたりの医療費ですので、治療が月をまたぐ場合には注意が必要です。例えば、4月末から5月初旬に掛けて治療を受けたとします。
4月中に手術を行い医療費が3割負担で30万円、5月に入院費、投薬などの医療費が3割負担で6万円だった場合、4月分は高額療養費制度の対象となりますが5月分は上限額を超えていないので全額自己負担になり、合計約14万円の自己負担額となります。病状により調整が難しい場合もありますが、日程の調整を医師に相談してみると良いでしょう。

2.自己負担額が大きい治療とは

(1)先進医療とは?
簡単に言うと厚生労働大臣が定めた高度の医療技術で、今後保険給付の対象とするべきか評価中の療養です。平成27年10月の時点で種類は107種類と定められています。現在保険診療との混合治療は出来るものの、先進医療部分に関しての医療費は全額自己負担になります。先進医療を使用する場合は必ず医師から必要性や合理性などの説明があり同意書も必要になりますので、患者が納得された上での治療になります。
(2)自由診療とは?
先進医療を含む治療も自由診療と言われており定義は曖昧です。ここで説明する自由診療は先進医療を含まないものとします。先進医療は厚生労働省が定めたものですが、自由診療は厚生労働省に承認されていない治療になります。先進医療と同じく医療費は全額自己負担ですが先進医療との大きな違いは、保険診療と併用して治療を受けた場合、保険診療部分の治療も含め全額が自己負担となります。

3.医療費よりも恐い事

(1)病気になったら一番お金が掛かるもの
治療費以上に掛かる費用とはなんでしょうか?想像してみてください。ある日重い病気を宣告された場合、治療費はいくら掛かるだろうと心配されるかと思いますが、明日から仕事や支払いはどうしようとも思うはずです。長期の療養になれば、中には仕事を変えなくてはならない場合もあると思います。
治療中は健康保険から傷病手当金が最大で1年6カ月間は給付されますが収入は全額補償されません。また共働きの場合は看病の為、配偶者の勤務状況にも影響することがあります。いざ重い病気で長期療養になってしまった場合、一番お金が掛かる事は収入減による生活費の穴埋めでしょう。
(2)どれくらい備えておけばいいの?
傷病手当金の給付期間に合わせて1年間もしくは2年間の収入分の確保をしておくと良いでしょう。それ以上の長期にも備えたい場合は預貯金では難しいです。長期就業不能リスクに備える保険などもありますので検討してみると良いでしょう。

4.まとめ

病気は選べるものではないので、症状などにもよって治療は様々です。その 為、一概に治療費は高額にならないとは言えません。しかし公的制度もそれなりに手厚い保障がありますので、過剰な保険加入は見直した方が良いかも知れません。自分達が何の為に何で備えるのかを考えてみると良いでしょう。

執筆:久保田正広

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