2015.8.31

平均貯金額データで見えてくる 年代別貯金術

1.平均貯金額のデータ

「お隣のAさんはいくら?」「会社の同僚や上司は?」なんて事気になりませんか?実際にお役所でも家計調査という名目で調査をしています。なぜ気になるのか?という心理をひもとき、あなたにあった上手な貯金の仕方、目標額をお伝えします!
まずは直近の家計調査(総務省統計局調べ)を見てみましょう。
※(「貯蓄」とは投資信託や株式など金融商品を含めております。「貯金」とは「貯蓄」の中で現預金との解釈になりますのでご注意ください。今後は解りやすく定義する為に全ての金融資産を「貯金」としてご説明します。)
相続税基礎控除
このグラフを見てどのような感想をお持ちになりましたか?平均、貯金は「1,739万円」は多いと感じた方もそうでない方も注目して頂きたいのは中央値が「1,023万円」であるという事と100万円以下の分布が一番多いという事です。
(※中央値とは・・・データを大きさ順に並べた時に中央に来るデータを表します。貯金や収入等のデータでは一部の富裕層等の数字が平均値を押し上げてしまう現象が起きてしまうので中央値も大事な判断材料になります。)
通常、算数で教わる「平均」では平均値の分布が一番多くなるイメージですが現在の我が国の貯金の分布は少し変わった形になっているのが解ります。また、中央値と平均値の開きも大きく「格差社会」という現実がここにも出ているのではないでしょうか。
この様な状況では「平均」という言葉を気にしても仕方がないと思いませんか?どちらかと言うと日本は「平均」という言葉が好きな文化ですがここは思い切って離れてみましょう!

2.お金に色を付けましょう〔30代〕

それでは30代の方の貯金の目標や方法を一緒に考えてみましょう。ここでは参考までに平均貯金をお伝えしましょう。シングル(単身者)は732万円、ファミリー600万円です。シングル(単身者)は20代のシングル(単身者)のほぼ2倍、同様にファミリーは1.5倍と増加します。
ただし、中央値はファミリーの方が高いという二極化が始まります。(中央値シングル:350万円、中央値ファミリー:405万円)また、この世代は住宅ローンという大きな借入が増え始めます。特にファミリー層の借入平均額は平均貯金を上回って来ます。
この様な状況でどのような貯金方法が大事か考えてみましょう。ポイントは20代と同じですがファミリーやシングルによって手法が変わって来ます。30代ファミリーは子育てや住宅ローンの返済等に出費が増えますので貯金に回すお金を固定する事が大事になって来ます。
「お金に色をつける」という作業をお薦めします。実際にお札や小銭に色を塗るのではなく使い道を明確にするという事です。20代の頃は何となく余ったから貯金に回すといったやり方をされていた方も多いと思います。
しかし、それでは貯金に回せるお金が確保出来なくなってしまう世代なのです。そのような状況を防ぐために必要な考え方をお伝えします。

  • 財形貯蓄などの活用(給与天引き)
  • 投資信託等の定額積立の活用(色づけ)
  • 個人年金や積立型終身保険の活用(引き出しづらくする)

などが挙げられます。共通しているのは「給与から引落しが先にされる」=「まずは貯金をして残ったお金で生活する」と言う事です。これによって可処分が明確になります。毎月末になんとなく貯金が出来たり出来なかったりと言ったケースに陥ってしまっている方は是非、検討して見て下さい。

3.そろそろ準備をしましょう〔40代〕

さて、40代に入って来るとどうでしょうか?シングルはついに平均貯金(貯蓄)1000万円代の大台を超えて来ます。平均値は1153万円です。 同じく平均貯金(貯蓄)はファミリー層も962万円となり1000万円が見えて来ます。
しかし、30代より更に住宅ローンの残高が増えほぼ貯金と同額になります。このような40代が考えないといけない貯金方法はどのようなものでしょうか?

  • ある程度まとまった資金をセカンドライフ(老後)へ向けて運用をする
  • 30代から継続しお金の使い道をしっかりとする
  • 支出が多く貯蓄を崩すような事があっても慌てない

この世代からは明らかにセカンドライフも視野に入れた資産形成が求められて来ます。しかし、当面の出費は減ることがなく(教育費等の増加により)場合によっては貯金を崩す事もあり焦りが出る事もあるでしょう。そのような時はしっかりとした「ライフプランニング=未来家計簿」があれば安心出来ます。
将来のお金の流れがしっかりと見えるというのはとても重要です。この世代から徐々に相続など突発的な資金の動きもあります。様々な対策も求められる事になりますので、併せて準備をされる事をお薦めします。

4.セカンドライフまでもう少し〔50代〕

セカンドライフまでもう一息、50代を見てみましょう。ファミリー層の平均貯金(貯蓄)は1524万円と順調に増えて来ます。シングルは更に1870万円と差が少し広がります。
やはり住宅ローンに教育費とファミリー層には重い支出が続きます。ただし、お子様の年齢によってはそろそろ教育費などの支出の見通しも立ちますのでセカンドライフへの準備も本格的に進んで行きます。
この世代になると退職金と住宅ローンとの残高が気になり始まる頃でしょうか?退職金で一括返済?なんて事も考える頃でしょう。
しかし、これからの生活費と受け取れる年金額などを考えるとまとまったお金が必要?利息がもったいないので早く返す?どっちが良いの?と考えられる方も多いと思います。
この世代でもやはり「ライフプランニング=未来家計簿」の作成が大事になって来ます。また、貯蓄を増やす為にも資産運用を積極的に取り組んで行きたいものです。

5.あと25年!どうする〔60代〕

ついにセカンドライフへ、60代を見てみましょう。ファミリー層は2175万円、シングルは1981万円とここでファミリー層とシングルが逆転をします。意外のような気がします。理由はどこにあるのでしょうか?
例えばファミリー層とシングルにおいて大きな差が出るのは年金受給額です。夫婦と単身者では受給額に大きな差が出ます。会社員の夫婦で月額平均23万円、同様に単身者の会社員で16万円ですので貯蓄の切り崩し度合いを考えるとこの結果となるのも納得出来るのではないでしょうか。
この世代は貯蓄を日々の生活から増やすと言うより、今ある貯蓄を守るという事が大事なテーマになります。更にゆとりある老後の生活費が月額30万円を超えている事実を捉えると今ある貯蓄を増やす事も大事なテーマになって来ます。しかし、相も変わらずの低金利です。「お金を増やす」という事がとても難しい時代ですのでそれ相応の工夫が求められます。

6.リスクを取れる世代〔20代〕

20代シングルの平均貯金は342万円、同じくファミリーの平均貯金は365万円となっております。どうでしょうか?このコラムを読んでいる20代の皆様!どうでしょうか?「え!そんなに?」「それだけ?」といったリアクションでしょうか?
20代は貯金が出来るボーナスステージだと思って下さい。この世代は貯金をすると言っても様々な選択肢があります。これから訪れるイベント(結婚・マイホーム購入・子供誕生等)に合わせて準備をされる方も多いようです。
また、世代的には「草食系」「手堅い」世代でもあり消費のボリュームも少ない世代と言われています。バブル経済の頃、20代は平日の夜はディスコ、デートカーを所有し週末はドライブといった消費をする人も多かったと思います。
今はガソリン代が携帯代に変わり消費全体がダウンサイジングされています。もちろん収入も当時と比べると減少しているのも確かです。実は収入にも平均貯蓄と同じく平均値と中央値の差があり、バブル期当時の平均値は現在と変わっていないのです。
しかし中央値では約100万円以上の差があります。バブル期は540万円、現在は400万円前後ですのでここも格差が広がっていると言えるでしょう。さて、20代はどの様に貯蓄を増やして行くと良いかというテーマに入って行きたいと思います。
ポイントは3つ

  • リスクを取る
  • 目標を決める
  • 貯蓄にまわす金額を多めに決める

簡単に解説します。「リスクを取る」とはFXや先物取引をするという事ではなくリカバリーの効く範囲内でリスク性のある金融商品に投資をする事を指します。例えば手元に300万円ある方が300万円をFX等の投資をするのはとてもリスクが高くお薦めできません。
FXに関しては別の機会でお話しをさせて頂きます。例えば300万円のうち、50万円で株を買ってみるというのはどうでしょうか?もちろん、勉強はしてから買うのですが50万円は25万円になる可能性も100万円になる可能性もあります。
もしかしたらゼロなんて事も…ただし、リカバリーが効くのも20代なんです。あまり踏み込むと投資手法のテーマになってしまうのでこの辺で切り上げ次回のコラムにでも続きをお話ししたいと思います。いずれにしても20代は思い切った貯金の使い方をしてもリカバリーが効きますので是非、取り組んで頂きたいと思います。

7.まとめ

「平均貯金」について各世代の平均値を中心にまとめて来ました。各世代ごとに取組まなくてはいけない貯金(貯蓄)方法もそれぞれにポイントがあります。
昨今、「高齢化社会」「年金問題」「晩婚化」など社会情勢が大きく変わって来ております。その様な状況下でそれぞれの世代が取り組まなければならない事が沢山ありますが是非、ひとつひとつを整理し取り組んで頂きたいと思います。

執筆:久保田正広

ページ上部へ戻る