2015.8.31

「確実に貯金できる 上手な節約方法と家計管理術

1.お金を貯められる人、貯められない人の決定的な違いはここだ!

「どうしたら効率よく貯金できるのか?」「節約上手な方法って何?」などより良い家計の管理方法を知りたいという声をよく聞きます。ここでは「確実に貯金が貯められる人」になるポイントを学び、将来が楽しみになる家計管理方法を実践しましょう。
(1)あなたは、いつまでに、いくら貯めたいですか?
ファイナンシャルプランナーとして上手な「資産形成」や効率的な「家計管理」について聞かれることはよくあります。その時に、必ず最初に「将来いくら資産があると安心ですか?」とお聞きします。実際、お聞きしてみるとわかるのですが、しっかり貯金できている人のほとんどが明確な目標貯蓄額を決めています。
そして、もう一つ質問します。「いつまでに貯めたいですか?」と。この二つの質問に明確に答えられるほとんどの方が上手に貯金できています。この二つがわかっているかどうかで、その人の「計画性」がわかるからです。
貯められないと嘆いている人は、「自分がいくら貯めたいのか?」「いつまでに貯めたいのか?」を決めていませんから、計画的な貯金や家計管理の方針も立てられていないため、結果的に節約も資産形成もできないというのが現状のようです。
(2)確実に貯めるために不向きなライフスタイルとは?
タイトルに「不向き」とはあまり楽しくありませんが、確実に貯めることにおいては向かないライフスタイルがあります。ここでは例え話を使って質問をします。「AさんとBさん、どちらが『お金が貯まりやすいライフスタイル』をしていると思いますか?」
Aさん 一か月生活をして残ったお金を貯金にまわす。
Bさん あらかじめ決まった額を差し引いて、その残りの額で生活する。
どうでしょう、みなさんはどちらの方がお金を貯められると思いますか。答えは、「確実に貯める」という意味ではBさんの方に計画性があるのがわかると思います。実際、たくさんの相談に乗ってきた私の経験からみてもBさんタイプの方がお金を貯められる傾向にあります。
つまり、お給料をもらって自由に生活して残ったお金を貯金に回すというのは、「確実に貯める」ためには不向きな生活スタイルだということです。当たり前のようですが、これを実践できていない人が「お金が貯められない」と嘆いているということです。みなさんはいかがでしょうか?
(3)節約上手になるためには「はじめが肝心」です
「節約上手」というのはどういうことでしょうか?一駅先を歩いても1円でも安いスーパーで食材を買うことでしょうか?エアコンをつけずに扇風機で生活することでしょうか?確かにそれも大切かもしれませんが、実はもっと大切なことがあります。
それは、日常にかかるお金をあらかじめ設定しておくということです。そうしておくと、このお金は「想定内の出費」このお金は「想定外の出費」ということで、出費した金額の性質がだんだんとわかってくるようになります。そして、あらかじめ決めた金額で生活するようになります。仕組みを作っておくと自然と「工夫」をし始めるのが人間の性質のようです。
(4)創意工夫を努力するよりも、もっと楽で簡単な方法を知ろう
「節約」「家計管理」というと、頑張っていろいろ我慢したりして、努力や根気が必要なのかなというイメージが湧いてくる人がいるかもしれません。それは本当にそうでしょうか。
今まで、上手に貯金できなかった人や家計管理が出来なかった人は、その人の性格に問題があるのではないのです。本当のところは、いつまでにいくら貯めて、これから入ってくるお金をどのように使おうかということを「決めていなかった」のが大きな原因です。
そのため、その生活習慣が身についていなかった結果、貯められなかった、管理できなかったということです。「あらかじめ決める」というのは、実は創意工夫が自然とできるようになる楽で簡単な方法なのです。
のちほど、そうしたくなるような「上手なお金の貯め方」もお伝えします。まずは、「原因はなんなのか」(現状把握)を知り、「明確な目標」(夢やビジョン)を定めて、「具体的な行動」(行動計画、実践)を取っていくことで、「確実に貯金が出来る」人になります。
大切なのは「お金が貯まりやすい生活習慣」を身に付けることが大切です。では、具体的に次章でそのやり方を公開していきます。

2.確実に上手に貯金するセオリーを知ろう

(1)まずは必要となる金額を決めよう
漠然とでもかまいません。まずは3000万円貯めるとか、自分が将来持っていると楽しくなりそうだなという「貯金の目標額」を決めましょう。将来楽しく暮らしたいという気持ちがあるなら、そのために十分な貯金額を明確に定めておきましょう。
具体的にイメージが湧かない場合、このような「逆算方法」も考えてみてください。自分が仕事をリタイアする年齢をまず想像します。男性なら一般的に65歳ぐらいでしょうか。次に老後の人生の期間(年数)を考えます。
そして、月々の生活費はいくら欲しいかを考えましょう。生活費としては家賃、生活費、余剰資金をイメージします。そして、最後に自分はこのままいけば年金はいくらもらえるかを調べます。これは毎年届く「ねんきん定期便」で知ることができます。
ここでは、仮に現在32歳の夫婦が90歳まで生きて、65歳定年で毎月35万円ぐらい欲しいということを設定してみたいと思います。年金は年間250万円もらえるとします。
◆老後65歳~90歳まで毎月35万円とすると合計金額は
 35万円×12か月×25年=10500万円
◆もらえる年金額は25年で
 年間250万円×25年=6250万円
 つまり、65歳時点で4250万円貯めるとすると楽しい老後生活が出来そうです。現在、貯金が250万円で退職金が500万円とすると、今から3500万円以上貯めればよいなということが見えてきます。
貯める金額を決める時にはこういった「予測される生活」を描いたうえで決めていくとリアリティーが出てきます。
(2)いつまでに貯めるかも決めよう
 もう一つ大切なことは「いつまでに貯めるか」を決めることです。先ほど30歳夫婦の例でみていきますと、現在32歳で65歳までに3500万円ということになりますから、「これから32年間で3500万円」ということになります。これで、「いつまでに、いくら貯めたいか?」が決まってきます。
そうすると具体的な目標として見えてきます。今度の年収や子供にかかる費用や住まいを購入する人はその住宅ローンなどの返済具合なども考えていき、月々いくら貯めるとよいかも見えてきます。
この型の場合は、1年で110万円ほど貯めればよいので、月々9万円ぐらいコンスタントに貯めればよいということになります。もちろん、年金の額や今までの貯金額、将来の相続で受け取る額や退職金などみなさんそれぞれ収入で入ってくる金額も違いますし、将来の結婚費用やお子様の人数などによっても必要となる金額も変わってくると思います。
そういった状況の差はありますが、まず「いつまでに、いくら貯める!」という明確な目標を決めることは大切ですから必ず決めておきましょう。これは夢やビジョン達成のためには不可欠な要素です。
何かの資格を取ったり、会社の売上を向上させていくためにもよく出てくる内容です。まず、ここはしっかり決めましょう。決めることが「上手に確実に貯金する」鉄則の一つであり、計画的な資産形成の重要ポイントになります。
(3)「貯められる仕組み」を活用しよう
次は「貯められる仕組み」作りです。先ほど、Aさん、Bさんのお話をしましたが、「確実に貯める」という意味ではBさんの「貯めるお金を事前に天引きして、その残りで生活をする」という方が良いというお話をしました。
具体的な方法としては、銀行で積立の定期貯金をやるとか、貯蓄性のある保険に加入したり、外貨預金をしたり、積立型の投資信託をするというのも、「天引きする仕組み」です。
財形貯蓄などもその方法です。先ほどの30歳夫婦の例でいえば約月9万円(約年間110万円)ですから、銀行の積立貯金で2万円、貯蓄性のある保険で月々3万円、ボーナス時に年2回25万円ずつ、という計画を立てておけば年間110万円貯められます。
そういう仕組みを作ってしまうと毎月何か工夫をしなければという気を使わずに楽にできるようになるポイントです。「いくら貯めるかを決める」「いつまでに貯めるかを決める」「貯められる仕組みを決める」この3つの決め事が「上手に確実に貯められる人になる」体質づくりの重要ポイントです。
(4)節約するにはあらかじめ「使い道」を決めておこう
天引きした後のお金で生活していく際に大切なことは、その残りのお金も「あらかじめ使い道を決めておく」ことで「計画的に使う」生活習慣が身につくようになります。
現在も大ヒットしている家計簿、「袋分け家計簿」はご存知でしょうか。通常の冊子の家計簿に加えて、飲食費、光熱費、携帯代などそれぞれ1か月分の費用を事前に小分け袋に費用を入れておくというものです。
給料をもらった時点で1か月分の費用がどのように使われていくかを袋わけにして把握しておくということです。これをしておくことで、余分な費用を使うことなく、計画的に生活できるようになります。
ここで「食費は5万円」と決めて袋わけしておけば、おおよそ1週間に食費は1万2千円ぐらいとなりますから、買い物をするときも工夫するようになります。そして、想定外でかかった費用も「いくらかかったか」がわかるようになりますから、その月々の出費を家計簿に書いていくと、それぞれの予算が適当かどうかわかるようになり上手に家計管理が出来るようになるのです。
まめに、家計簿をつけなくても月に1回「費用ごとに袋に小分けしておく」ことで、あとは計画的に費用を払っていくだけになるのでよいでしょう。
通信費や光熱費などを口座引き落としにしていたり、クレジットカード払いにしている方は、事前に引き落とし口座にその費用をあらかじめ入れておき、それ以外の費用を小分け袋に入れて管理しておくと上手に管理できるようになります。
(5)意思管理よりも「仕組み管理」大切
何かと生活を工夫したり、自分の努力や意思で生活費を切り詰めたりするよりも、「あらかじめ貯める金額を決め、天引きして貯金をする仕組みを作り、使うお金も月の初めに費用ごとに分けておくことで自然と「お金が貯まりやすい」体質が身につくようになります。
大切なのは、「気持ち」よりも「仕組み」です。さて、いよいよ「さらに得する、お金の増やし方」についてお話をしていきます。今貯金ができてない人も「今すぐ始めることが大切」ということに気づいていただけると思います。

3.さらに得する!お金の増やし方はこれだ!

(1)時間を味方につけろ!
仮にこれから30年で4000万円を65歳の時までに貯めるという目標を建てた人がいるとします。この方の場合は、年間平均して133万円貯めることになります。
しかし、これから20年で4000万円を貯めるとなると年間200万円貯めなければなりません。現在55歳であと10年しかない人の場合は年間400万円を貯めなければなりません。年間400万円となると相当厳しいなと思われます。
月に直すと月間33万円貯金しなければなりません。このように、「時間を味方につけ」貯める期間が長い方が年や付の負担金額が軽減されていきます。将来の資産形成はひと月でも早く始めることが大切です。
(2)金利を味方につけろ!
次に大切なことは「金利を味方につける」ということです。「72の法則」というのはご存知でしょうか? 
金利が〇%で複利運用し、元金を2倍にするときにかかる年数を出す計算式なのですが、
「72÷金利〇%=元本を2倍にする年数」というもので、簡単に計算できます。
例えば、金利3%つく金融商品を複利で運用した場合、「72÷3%=24年」ということになりますから、24年かけると金融資産が倍になるということです。
あまり希望がわかないお話ですが、現在の定期預金のように金利が0.025%だとすると「72÷0.025=2880」となりますから、元本を倍にするのに2880年かかり、元本が倍になる2800年近く前にお亡くなりになっているということになります(苦笑)。できる限り金利は高い方が有利ということです。
◆金利1%で1000万円を貯める場合、貯める年数でこんなに払うべき元本が違う!
30年間=毎月2.4万円、元本総額864万円
20年間=毎月3.8万円、元本総額912万円
10年間=毎月8.0万円、元本総額960万円
10年間で貯める人と30年かけて貯める人では1000万円貯めるのに元本は100万円近く変わってくることがわかります。ですから、より高い金利で・より長く計画的に貯金をすることでもともとの資金を少なくすることができるので、月々の負担も軽くなります。
(3)税制のメリットを活用しよう!
「確実に効率よくお金を貯める方法」の3つ目は税制を活用することです。例えば、貯蓄性のある保険で保障をつけながらお金を貯めようとすると「生命保険料控除」などを使って節税することができます。
現在の制度でいうと、生命保険料分野で年間4万円、医療・介護保険分野で年間4万円、個人年金保険分野で年間4万円の合計12万円の所得控除を受けることができます。
実質、貯蓄性のある保険ということになると生命保険分野、個人年金保険分野ということになりますから年間8万円ほど所得控除を受けることができます。(詳しくは、コラムの生命保険料控除のところをお読みください)
それ以外にも運用した利益を受け取るときに税金のかかり方が保有している金融財産の種類によって変わってきます。2016年1月より債券の売買益にも約20%の税金がかかるようになりますが、株式・投資信託も同様に利益に対して20%の税金がかかります。
しかしこれを保険の満期金や解約返戻金で受け取る場合は「一時所得」という計算になり、税制のメリットが大きくなります。
◆貯蓄性、運用性のある生命保険の税金は「一時所得」
かかる税金=(受け取る金額-払った保険料-基礎控除50万円)÷2の金額に対して。
かかる税金は受取時の所得税率がかけられる。
例 かかる税金=(1200万円-800万円-50万円)÷2=175万円
65歳時の所得が年金生活者で200万円の場合税率は10%になるので税金は約17.5万円
これが投資信託での利益となると、利益金額400万円の約20%=40万円の税金がかかり、その差額は22.5万円となります。
保険以外では「確定拠出年金」にも税制のメリットがあります。まず、確定拠出する掛け金の年間支払い額が所得から控除(非課税)されます。また、運用して出た利益も非課税になります。
さらに、年金受取時には公的年金等の控除の対象になるだけでなく、一時金として受け取るときには退職所得控除の対象にもなります。このように、税制を活用することやコスト(手数料や信託報酬)などを考えていくことで、貯蓄をする際にメリット・デメリットが生まれることがあります。時間、金利(福利)、税制を活用して、効率よくお金を貯めていきましょう。
(4)資産を分散することで上手に資金管理をしよう!
 最後に大切なことは「分散投資」です。金融資産は分散して、保有しましょうということです。資産形成や資産運用でよく出てくる投資の格言として「一つのカゴに卵を盛るな」という言葉があります。
金融資産を銀行貯金だけで持つのではなく、銀行貯金、投資信託、保険、地金などで保有したり、通貨を「円」だけで持つのではなく、「円、米ドル、ユーロ」などに分散し持つということです。
投資信託でいうとすると「国内株式、国内債券、国外債券、国外株式」のように持つ金融商品の性質を分散させて持つことで、一つの金融商品や通貨の価値が変化しても全体資産には大きく影響を与えないということです。
例えば、すべての資産を現金として長期に資産を保有しておくことのデメリットは、これから「インフレリスク」が考えられます。現在1万円で買えるものが20年後に1.5万円に物価上昇したとすると、1000万円持っていた現金の価値は実質666万円にまで目減りするということになります。

4.まとめ

上手に確実に貯金をして、節約しながら家計管理をするということにもさまざまな方法があります。一口に貯金、資産形成といっても奥が深い話です。ぜひ、「3つの決め事」を実践して、あらかじめお金の使い道を明確にしておき、「時間、金利(複利)、税制、分散」を味方につけて、将来が楽しみになる資産形成を実現していきましょう。

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