2015.12.5

差がつく定年後の暮らし。あなたの生活は大丈夫?

1.定年前に考えておくべき二つのこととは?

定年直前で今後の暮らしを考えていては定年後の生活に対して十分な準備ができません。準備ということに焦点を当てて話せば、主に年金や保険、税金といったことなどは在職中に終わらせておきたいものです。ここでは、定年退職前の準備としてポイントを二つお伝えしていきます。
(1) 定年後の人生設計を具体的に思い描く
定年してから『あれをやるべきだった』『こうしておけばよかった』と後悔するのを少しでも避けるためには、どのようにすればいいのでしょうか。プレジデント編集部の調査報告によると、55~74歳の男女の回答で多かった答えの上位は『もっと貯金しておけばよかった』『年金で暮らせるよう生活設計しておけばよかった』『退職までに借金(住宅ローンなど)を完済しておけばよかった』でした。公的年金に過度な期待をせずに備えてきたつもりだったが、予想以上に厳しい現実に直面しているという事実もあるようです。一方で定年後を見越して着々と準備をしてきた人は全く違う生活を送れている現実もあります。何がこの差になるのでしょうか、その点を考えていきたいと思います。
(2) 定年までに準備すべき資金はどれくらい?
夫婦二人で老後生活を送る上で必要と思われる金額は一般的に3000万円と言われています。総務省の家計調査によると、60歳以上で無職の場合に平均して月額280,295円の生活費がかかるとの統計も取れています。あくまでも一般的な数値になりますので、在職中の世帯年収によって最低限必要と思われる日常生活費は変わってきます。仮に月々15万円ほど余分に用意できるとなれば、ゆとりある老後生活が送れるとも言われています。主に使い道としては『旅行やレジャー』『趣味や教養』『日常生活費の充実』『身内とのつきあい』等が使い道の半数を占めている様子です。

2.定年前には想像もつかない時間感覚。

定年前と後では、いろいろなことが変わってきます。資金面や体力的な部分はある程度の想像がつくかと思いますが、ここでは特に『時間』へ焦点をあててお話していきたいと思います。
定年後の自由時間は現役生活よりも長いことをご存知でしょうか?定年退職後に与えられる自由時間は実に8万7600時間だといわれています。もちろん睡眠時間や食事時間などは、この自由時間には含まれておりません。個人が純粋に好きに使える時間だけを取り出してます。文頭でも触れたこの8万時間ですが、普通のサラリーマンの場合は、現役時代の会社で働いた時間より長いのです。一般的な数字を出して説明すると、会社で1日8時間労働したとして、その労働総時間数は、8時間x250日x38年間=7万6000時間となります。定年後の8万7600時間というのは、それよりも、約1万時間も長いという計算になります。自由時間が増えることで定年後にはどのような変化をもたらすのでしょうか。
(1) 自由時間が増えたことで消費も増加?
今まで勤め上げてきた仕事を無事に終えた記念に旅行へ行く計画を立てている。定年後はずっとやりたかった趣味を楽しみに生活していきたい、どちらも素敵なことであると思います。働いていた時とは違い自分の好きなことだけをして暮らしていけることに憧れを持つ方も多いと思います。ただし、時間が増えたことで生活費の水準が上がってしまうことも考えられます。他にも、車の買い替えやリフォーム、大きな旅行などを考慮すると、まとまった老後資金は見込んでおいた方が無難だと思います。
(2) 定年後も働く人が増えている?
厚生労働省の雇用状況によると、60歳の定年後も8割の方が同じ会社で働き続けているとのことです。背景には公的年金の支給開始年齢が65歳に繰り下げられたことで、企業側が希望者を65歳まで雇うことを義務づけられたことも関係していると思います。定年前と同じ職種・勤務地で働いている人が多いとはいっても同じ条件下で働けている人はそう多くないようです。
では、どのような働き方をしているのでしょうか。勤務時間でいえば定年前と同じフルタイムで働いている人が多く見られます。一方で大きく変わってくるのが年収です。定年前と同じ年収である人は約1割に過ぎず、5割以上の人が定年前の6割未満という結果になっています。つまり定年後は、定年前と同じような働き方をしても、収入は下がる人が多いという結果になります。

3.年金生活で困らないためにも

現在の生活とのバランスをうまくとりながら定年後の資金を確保するには、どのようにすればいいのでしょうか。そのためには、現状で『お金がいくらあるか把握すること』『社会保障や税金等について興味を持つこと』『定年後の生活を具体的に考えること』であると思います。ここでは定年後のカギとなる二つのテーマをお話します。
(1) 年金生活を身近に感じよう
日本年金機構によると、モデル世帯の年金月額は約22万6000円とのことです。モデル世帯とは、夫が厚生年金に40年加入し、妻が被保険者を含め、国民年金を40年納めた場合です。一般にはこの数字が平均の年金額とされているようですが、モデル世帯のような条件の良い世帯は現実には少数派だと思いますので、実際の年金額はもっと少なくなります。実際の年金額の平均は、次の通りです。厚生年金 月14万7508円(20年以上加入の場合)、基礎年金 月5万3418円で夫が会社員、妻が専業主婦というモデルに合わせた場合、平均の年金額は20万926円となります。この年金額が定年後の生活ベースになるということを知った上で今の自分にできることを考えていきたいものです。
(2) 定年前までに知らないといけないこと。
上の年金受給額やモデル年金額には、基礎年金が含まれていることを忘れてはなりません。なぜか?ですが、基礎年金は原則65歳からの支給であるためです。(1)の例で考えると、60歳から65歳になるまでは夫の厚生年金しか受け取れないことになります。しかも、これから年金を受け取る男性の厚生年金の受給開始は61歳以降ですから、年を下るごとに年金の受給開始年齢も遅くなってきます。今後は年金がこれまで以上に増えにくくなると予想できるので、より入念な対策が必要になってきます。

4.定年後へ向け無理のない資金計画を

定年後の暮らしを考える時に鍵となるのは何といっても定年前の準備をどれだけしてきたかに見られます。準備は早ければ早いほど選択肢の幅も広がり、第二の人生を築いていく大事な時間となります。定年は必ず来るので、その時になって計画していくなんてことにならないよう、今からでも少しずつ資金計画を練りましょう。

ページ上部へ戻る