2015.12.5

ライフステージと共に最低生活費も劇的に変化?

1.最低生活費とは?

憲法25条で定められた『健康で文化的な最低限度の生活』に必要な額のことです。最低生活費を計算する尺度となる基準は、厚生労働省が年齢、世帯の構成、所在地等の事情を考慮して毎年定めています。
(1) 最低生活費の計算方法
最低生活費は八種類ある扶助を合計した金額になります。基本的には生活扶助(食費・被服費・光熱費等)、住宅扶助(アパート等の家賃)、教育扶助(義務教育を受けるために必要な学用品費)、医療扶助、介護扶助の合計が最低生活費となり、臨時的な適用として出産扶助、生業扶助(就労に必要な技能の修得等にかかる費用)、葬祭扶助が含まれます。
(2)東京在住で見た場合の最低生活費
厚生労働省のホームページから例として掲載されていたものを引き合いにだすと、東京在住『標準3人世帯(33,29,4歳)』で見た場合、236,970円/月が最低生活費となっています。年間に換算すると、284万円となります。284万円ということは、給与の手取りが284万円必要であり年収に換算すると320万円程度となります。東京在住で標準的な3人家族の場合、年収ベースで最低でも320万円を稼がなければならないということになります。

2.最低生活費は他人との比較が難しい

周りに比べて自分の生活費が低いのか高いのか気になる方もいるかもしれません。ただし、最低生活費を周りと比較してみようとしても比較になるケースは少ないと思います。それは家族構成も違えば、住んでる地域も年齢も職業さえも異なるからです。周りも気になるところではありますが、今回は自分の最低生活費を知ることに焦点を当てて進めていきます。
(1)ライフステージに合わせ変化する最低生活費
一人で生活をしていた時にかかる生活費は世帯を持つと増えた人数分だけ加算されてきます。さらに家族が増え、子供も加わってきたら生活費もどんどん形を変えます。このようにライフステージに合わせて、必要な最低生活費というのは変化を繰り返します。ステージが変わった時に最低生活費も見直すよう工夫をしていきます。
(2)最低生活費を一度シミュレーションしてみる
NPO法人『自立生活サポートセンター』のホームページ上では、最低生活費を実際に計算する‘自動計算’をダウンロードすることができます(他にも計算できるソフトは簡単に入手することができます。一つの案として知っておくのはいいと思います)。自分の居住区における最低生活費を、是非一度シミュレーションしてみることをお勧めします。あくまでも目安になりますが、家族の人数などを入力すれば、簡単に最低生活費の金額が分かります。働いていても、その額が最低生活費に満たなければ、足りない分を給付してもらえるよう社会保障制度を利用する選択肢もあります。

3.働いてても最低生活費を上回らない現状

先ほどは東京在住の場合、最低生活費が320万円必要であることをお伝えしました。この金額が必要である事実に対して一つ問題を考えていきます。これだけの金額になると非正規社員だけでなく、正規社員にとってもハードルが高くなるという点があります。総務省が発表した『就業構造基本調査』によると、正規社員であるにも関わらず年収が300万円未満の世帯は実に31.6%にも及びます。この三割が、すべて、若年者かと言うとそうではありません。年齢別でみると、20歳から39歳が対象です。年収も200万円未満から350万円未満が三割に含まれています。
(1)世代に関係なく共通して言えること
雇用形態にかかわらず働いているが最低生活費以下の給料しか出ない人がいます。『働けるのに働かない人』ではなく、『働いてるのに基準に満たない人』です。最低生活費に達していない世帯に対して、自己責任や自助努力が足りないという世論もあります。ただし、個人の自助努力では解決できない現実があるということも知っておく必要のある時代になっています。

4.ライフステージに合わせ計画的な行動を

最低生活費はライフステージに合わせて大きく変わっていきます。例え大きく変わることがあってもライフステージの変化と共に、自分にとっての最低生活費がいくらなのか分かればその都度生活をしていく手助けにはなります。そのためには自分にとっての最低生活費を知るところから始めます。今後のライフイベントに合わせ最低生活費を用意するため、準備を怠らずに実行することです。そうすれば途端に節約生活が始まるようなことも回避できるようになります。

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