扶養範囲内で働く?働かない?どちらがお得?

2018.10.26

扶養範囲内で働く?働かない?どちらがお得?

専業主婦の子育てが一段落して、また仕事に出ようとする時に、夫の「扶養範囲」内で働いた方がいいの?ということがよく話題に出るように思います。今回はこの問題について整理してみます。

1.二つの「扶養範囲」、税金と社会保険料

(1)税金の「扶養範囲」(2018年改正後)

①給与収入150万円以下

妻の収入が給与所得のみで150万円以下の場合は、夫の所得税や住民税を計算する際に配偶者控除または配偶者特別控除という38万円の所得控除が受けられます。
これにより、夫の所得税・住民税は年間約8万円~11万円くらい*安くなります。
*所得税率10%~20%、住民税率10%で概算

②給与収入150~201万円

妻の給与収入が150~201万円の場合も、夫の税金を計算する際に配偶者特別控除という所得控除が受けられますが、控除額は妻の給与収入が150~155万円の時で36万円、給与収入が増加すると順次減少し、201万円を超えると0となり「扶養範囲」から外れます。

③但し夫の年収が多い場合は、適用無し

ただし配偶者の控除をフルに利用できるのは、夫の給与収入が1,120万円以下の場合です。それ以上になると適用額は順次減額され、夫の給与収入が1,220万円を超えると適用は無くなります。

(2)社会保険料の「扶養範囲」

①給与収入106万円以下

妻の給与収入が106万円(月額8.8万円)未満の場合は、妻が勤務先で健康保険や厚生年金に加入することはなく、健康保険はサラリーマンの夫が加入する健康保険の被扶養者、公的年金は国民年金の第三号被保険者として扱われるため、妻の健康保険や国民年金の社会保険料を家計で負担することはありません。

②給与収入106~130万円

妻の給与収入が106万円以上になると、妻が勤務先で健康保険や厚生年金に加入しなければならない場合があり、その場合は夫の「扶養範囲」から外れます。
この場合、妻は自分で健康保険や厚生年金の社会保険料を負担しなければならないことになりますが、その代わり、万一病気で休業した場合の傷病手当金が健康保険から受けられたり、厚生年金の受取額が増えたりするメリットがあります。
なお妻が勤務先で健康保険や厚生年金に加入しない場合には、106万円以下の場合と同じで、夫の「扶養範囲」に入れることになります。

③給与収入130万円以上

妻の給与収入がさらに130万円以上になると、夫の健康保険や厚生年金の被扶養者の基準を超えるため「扶養範囲」から外れます。
その結果、妻は自らの勤務先で健康保険や厚生年金に加入するか、勤務先で加入できない場合は別途、国民健康保険や国民年金に加入することとなります。

2.「扶養範囲」に収まる働き方にする? しない?

(1)当面の手取りの増加を目指すなら

専業主婦から久しぶりに外に働きに出ることとなり、未だあまりたくさんの時間は働けそうにないときは、「扶養範囲」を意識して、年収から引かれる税金や社会保険料の負担を最小、手取り増加が最大となる働き方を目指すのが合理的だと思います。
そんな時は「106万円」「130万円」や「150万円」などの「壁」を意識して、上手な働き方をするのが良いでしょう。ただし「壁」は随時見直されていて、労働力不足対策にパートの労働時間を増やしたい政策では「150万円」の壁を引き上げの方向、一方、パート労働者の公的年金を増やしたい政策では「106万円」の壁を引き下げの方向にあるなど、注意が必要です。

(2)将来のライフプランを考えるなら

長い目で見ると、妻の収入が「扶養範囲」のレベルを超えた二つ目の強力な家計エンジンになれたら、経済的にもデメリットよりメリットが大きいでしょう。
また人生100年時代と言われ、これまで思っていた以上に人生が長くなるとすれば、妻がやりがいのある働き方を見つけられたら、今の「扶養範囲」にこだわるより価値があるかもしれません。

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